第7話

主人公視点から始まります。

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「うっ.....!」

全身からくる鈍い痛みで目が覚めた。

ここは...僕の部屋か?確か魔物たちになぶられて.....

「......ぐぅぅっ!!」

激しい頭痛とともに再教育の記憶が戻ってきた。魔物たちは負の感情がなければ生きられない、人間との共生はできない、人間に害しか与えない。

どうしようもなく、吐き気がするほどの醜い存在....ならば

「この世から一匹残らず滅ぼして....」

心が憎悪と殺意で満たされて、「なにか」どす黒い物がこみあげて感覚がして....


「.....こいつを....」

「いや...これで....」

部屋の外から聞こえる何やら騒がしい声に意識が戻された。


何の騒ぎだ?声は子供たちのものだ

久月家は魔物による被害で孤児となったものや身寄りのない子供を引き取り退魔師を育成する養成機関の一門でもある。おそらくこの声も門下生のものであるはず。


「くそ、歩きにくいな。そういえば指が食べられちゃったんだった」

立ち上がって歩こうとしたらこけてしまった。体のバランスがとりにくい。

包帯だらけの体も痛むが、騒ぎが気になるので声のする庭のほうへ向かった。


目的地についてみると四、五人の自分と同じくらいの10に届くか届かないくらいの子供たちが何かを囲って騒いでいた。


「何をしているんだ?」

声を出すと傷がとても痛んだが子供たちに問いかけてみた。


「あ、若様だ!」

「若様、おはようございます!」

「どうしたんですか?その包帯?」

あいさつや心配する声がかけられたが、それは後にしてもう一度聞いてみた。


「それよりみんなで何をしていたんだ?」


そんな疑問に子供たちは「喜々」として答えた

「野狐が敷地に迷い込んでいたのです!」

「だからみんなで昨日習った術式や技を試して遊んでいるのです!」

それを聞いて囲いの中を見ると一匹のまだ若いのだろうか体の小さな野狐が虫の息でぐったりしていた。足はつぶされており、逃げられないようにしたのだろう。

僕はたまらず聞いてしまった。先ほどまで魔物をどうしようもなく憎んでたのに...


「君たちはかわいそうとは思はないのか?」


そんな発言を聞き、子供たちはポカンとした顔をしていた。


「今の発言あれだ少し疲れてたんだ。忘れてくれ」

気まずい雰囲気が流れたので発言を撤回してしまった。しかし、今子供たちが魔物たちと重なったような....


「若様は変なことを言うね」

「相当疲れてるんだよ、こんなゴミがかわいそうなんて」

「そんなことよりそろそろ朝のけいこが始まるよ?」

「わ!もうそんな時間?急がないと!でもこのゴミどうしよう...]

そんな子供たちが慌てだすのを見て


「僕が片付けておこう。急がないと怒られちゃうよ?」

そう助け舟を出すと。子供たちはとても喜んだ様子で僕に任せて足早に稽古場へ向かっていった。


「さて、どうしようかなこの子」

 放っておいても死んでしまう。そもそも魔物だぞ?何を迷うことがあるんだ?

 不思議なことに曖昧な理由で掲げていた魔物との共存の理想はまだ頭の片隅にへばりついて残っていた、なぜそこまで捨て切れないのか自分でも不思議に思う。

 僕はこの野狐の処遇を決めかねるのであった。


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展開早すぎですかね?




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