脱走

デカい爆発音が塞いだ耳をつんざく。

直後、さらに追い打ちをかけるようにし、サイレンが鳴り響いた。


機能を失った部屋から、防弾チョッキを着た僕らが外の世界へ参上。


30秒もしないうちに警備隊が集まってきて、僕らは取り囲まれる前にテーザーガンで彼らを倒して行った。


リコちゃんの手を引いて非常階段を駆け上る。

だんだんと近づいてくるゴールに2人とも笑顔が溢れた。


非常階段の最上階、つまり、地上へとつながる道が、扉の前に来た時、その高揚感はかき消された。


「それで、2人でどこ行くって?」


研究員らしき人が扉から出てくる。

「誰ですか、アンタ」

俺は訝しげに聞いた。

「オリジナルに向かってなんだその態度は。君は、僕のクローンなんだよ?」

男が答えた。

え、僕が、クローン?

確かに、男の顔つきは僕に似ていた。

「まぁ、そんなこと、どうでもいいんで、そこ、どいてください」

テーザーガンを構え、ぶっ放した。

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