第12話 そりゃおっかねぇ

「私なんぞ、その強さの足元にも及ばないよ。くれぐれも失礼の無いようにな。あの人に殴り殺されたものは数しれず、だからな」

 騎士さまの言だ。

 そりゃおっかねぇ(汗)。

 あんな綺麗な姿と顔をしてるのに、そんな凶悪な事をしてるのか。


 ん? 殴り殺す? つまり、武器は使わず素手で相手を倒してるのか。つまり、相手が魔物だろうが人だろうが、拳ひとつで叩きのめしてる訳か。

 さらにおっかねぇ(汗)。


 どう修行をしたら、そんな拳骨を作れるものかな。また会う機会があれば、是非ご教授願いたいものだ。


 しかしその機会は、早めに訪れた。

 一夜明けて、騎士さまと一緒に冒険者ギルドに向かう。その理由は、先日の女性が討伐した魔物の、報奨金を納めるためだ。そのお金は国から出されるものだが、とりあえず建て替えで騎士駐屯場所から持って行く事になっていた。

 そのお金を納めるのは、僕が仕える騎士さま。僕はその付き添いだ。

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