第10話 一仕事終了

 聖職者さんが現場に来て、残った魔物の死体から発する『瘴気』を祓ったら、その死体を埋める穴を掘って行く。一度馬車に戻ってスコップを取り、また現場に行って穴を掘る。言葉にすると簡単だが、やっぱり行動に移すと疲れる。

 ある程度の穴を掘って石や木の根を取り除きつつ、穴を大きくして死体をそこに放り込む。上から土をかぶせておしまい。土まんじゅうの出来上がりだ。


 そんな事をしていると、聖職者さんも騎士さまも、あの女性に頭を下げてお礼を言っていた。

「この度は本当にありがとうございます。おかげさまで被害が出なくて済ました」

 聖職者さんが言葉を述べて一礼すると、女性は恐縮した表情で答えていた。

「あ、あの、頭を上げて下さい。冒険者ギルドの一員として、最低限の事をしたまでですから」

 最低限? 二十体以上もの魔物を討伐する事が? いやいや、じゅーぶんに働いてますって。僕なら鼻高々になっちゃいますよ。


 ともかく、仕事は終了だ。

「騎士さま! こちらの死体を埋めるの、終わりました!」

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