第18話 存在2

 わたしは彼女に抱きしめられて、彼女に押されるように崖際まで引きずられた。このままではいけない。でも彼女が、あかりが望んでいる。ならばその通りにしよう。翼で大切に大切に囲って、岬の崖がとんっとつま先で蹴られた。するりと尾びれが崖を撫でた。背中から海に落ちていく。紫陽花に、別れを告げて。

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