第2話 紫陽花を揺らす雨
しとしとと雨が降っている。あかりの心は未だ彼女のことばかり考えている。雨の冷たさは彼女への熱視線で蒸発しそうだった。そろそろ彼女を何と呼ぶか決めねばならない。しかし彼女としか言いようがない。むしろどんな名前を付けてもその名前が彼女の全てを指し示すことなどできない気がした。これからも彼女は彼女と呼ぶことにする。彼女といったが女かどうかもわからない。受け入れるぬくもりと滑らかな手、優しげな目元から女型なのだろうと想像した。あくまでも想像だ。
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