漆黒輪舞曲～堕天使と皇帝の禁忌恋愛譚～

第5話 禁断の朝に、堕天使の密約

翌朝、学園はいつも通りの活気に包まれていたが、レオンとカイの間には明らかに変化が見られた。二人は、前夜の出来事を経て、妙に距離が近く、仲睦まじく振る舞っていた。それが周囲の人々にとっては驚愕の光景となっていた。

「おはよう、レオン！」

カイが朝の挨拶をしながら、レオンの肩に軽く手を回す。そのしぐさに、周りの生徒たちは驚きの表情を浮かべる。

「おはよう、カイ。」

レオンも笑顔で返しながら、カイの手を軽く掴む。二人のやり取りを見ていた生徒たちは、目を疑う光景に困惑していた。

「お前、どうしたんだ？」

友人の一人が、目を見開きながら声をかける。

「いや、別に普通のことだよ。昨日も話しただろ？」

カイがにっこり笑いながら答える。

「普通って…お前たち、あんなにベタベタしてるの、見たことないんだけど。」

別の生徒がつぶやきながら、周りの反応を見ている。

学校の廊下を歩く二人は、互いに話しかけながら、しばしば肩が触れ合ったり、手が自然に重なったりしていた。レオンとカイの間に流れる微妙な空気は、周囲の生徒たちにとってはまるで異次元から来たような感覚だった。

「レオン、今日の昼休みはどこに行こうか？」

カイがレオンの顔を見つめながら、少し甘ったるい声で聞く。

「うーん、どうしようか。お前の提案に従うよ。」

レオンが笑いながら答える。彼の表情には、かつてないほどの親密さが滲んでいた。

その様子を見ていた一人の生徒が、ついに我慢できずに友人に話しかけた。「おい、レオンとカイって、昨日の夜に何かあったのか？」

「それ、俺も気になってるんだよ。まさか、何か進展があったとか？」

友人が興奮気味に話す。

「でも、こんなにベタベタしてるなんて…あれはちょっと普通じゃないよな。」

別の生徒が困惑しながら付け加える。

昼休みになると、レオンとカイはいつものように食堂に向かうが、そこでも周囲の目を集めていた。二人は、手をつないで歩いたり、お互いに食べ物を取り分けたりしていた。

「レオン、お前が好きなフルーツサンドだぞ。」

カイがレオンにサンドイッチを差し出し、レオンは照れくさそうに受け取る。

「ありがとう、カイ。お前がいてくれてよかった。」

レオンが笑顔で返す。二人の親密なやり取りに、食堂の生徒たちはただただ驚きの表情を浮かべていた。

「これ、どういうことだ？」

食堂にいた一人が、小声で友人に言う。「レオンとカイが、こんなに親密になってるのを見たことがないんだけど。」

「確かに。昨日までの彼らとは、全然違う感じだ。」

友人がうなずきながら言う。

その後、レオンとカイは体育館に向かい、体育の授業が始まる時間になっても、相変わらずの距離感で過ごしていた。カイがレオンの背中を軽く叩いたり、レオンがカイの肩に頭を乗せたりするなど、二人の親密さは周囲の注目を集めていた。

「おい、レオン、今日は調子がいいな。」

カイが笑いながら言う。

「そうだな、カイと一緒にいると、何でも楽しく感じるよ。」

レオンがカイを見つめながら答える。

その様子を見た体育の教師は、ただただ呆然と見守るしかなかった。レオンとカイのイチャイチャぶりは、もはや学園の名物になりつつあった。

「レオン、そろそろ始めようか。」

カイがレオンに話しかけると、レオンは笑顔で応じる。

「うん、いいよ。」

レオンが答えると、二人は一緒に運動を始めた。周囲の生徒たちは、その光景にただただ驚き、感心するばかりだった。

放課後、学園の中庭で二人は再び会い、しばらく散歩しながら会話を楽しんでいた。カイがレオンに近づき、少し照れくさい笑顔を見せながら言った。

「レオン、今日は本当に楽しかったな。」

「うん、俺もだよ。お前といると、時間があっという間に過ぎる。」

レオンが笑いながら答え、カイも微笑み返す。

その日の終わりには、二人の間に流れる新たな親密さが、学園中に広まっていた。周囲の生徒たちは、その光景を見て驚きながらも、二人の関係を認めるしかなかった。男子校らしいノリとともに、レオンとカイの間には、ますます深まる感情が感じられた。

「これからも、こうして一緒にいような。」

レオンがカイに向かって言うと、カイも微笑みながら応じる。

「もちろん、レオン。お前となら、どんなことでも楽しんで乗り越えられる気がするよ。」

その日、学園の中庭には、二人の新たな関係を感じさせる温かい雰囲気が広がっていた。