第16話 一途な光

二人はついに廃墟の外れにある古い地下施設にたどり着いた。そこでようやく、彼らは一息つくことができた。


「ここなら、しばらくは安全かもしれない…」健が呟いた。


芽々は静かに頷いたが、その表情には深い思案の色が浮かんでいた。「健、あの生物、普通じゃなかった。まるでこの世界そのものが狂ってしまったみたい。」


健もそれに同意せざるを得なかった。この世界はもはや人間のものではなくなってしまった。何かが、日本を異世界のように変えてしまったのだ。


「ここで少し休もう。」健は疲れ果てた体を床に預け、目を閉じた。しかし、頭の中には無数の疑問が渦巻いていた。


その時、地下施設の奥から微かに光が漏れてくるのを感じた。健は目を開け、芽々も同じように光に気づいたようだ。


「何だ…?あの光…」健は立ち上がり、光の方へ歩み寄った。芽々も後に続いた。


二人は慎重に進み、光源に近づいた。やがて、彼らは巨大な機械装置が設置された部屋にたどり着いた。装置は不気味なほど精密で、かつての日本では見たことのない技術で作られているようだった。


「これって…?」芽々が声を震わせながら問いかけた。


「分からない。けど、この装置が何かに関係しているのは確かだ。」健は慎重に装置に近づき、その表面を撫でた。すると、突然装置が動き出し、青白い光が部屋全体を包み込んだ。


「健、気をつけて!」芽々が叫んだが、次の瞬間、彼らの視界が白一色に染まった。

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