第6話 エピローグ
「隔離世・解」
ぼーっと見ていたら、
「
と手招きをされる。
おとなしく従う私。
なんだろう、と様子を窺えば、急に
「!」
「『幽遠閃華・楓』」
「えっと」
「怪我治しておいたから」
そっか。
怪我、治すためか。
急に手を握るから何事かと思っちゃったよ。
しちゃう、というか、してる。
「えっと……」
握られたままの手を見る。
よくわからないけど、傷を治すのに必要な行為なんだよね?
だったら、放してもいいのでは?
隣に立つ
「あの……」
「
「え……?」
「俺らって言うか、化け物退治。さっきそんな顔してた」
「……」
正確に言うなら化け物退治に興味があるわけでも無くて。さっき名前を呼んでもらえたことでだいぶ救われてて。
ということを、なるべくわかりやすく的確に伝えるにはどうしたらいいか考えていたら、
「
「うるせーな。お前だって
「そ、それは……」
え、そうなの?
キョトンと
「……まあ、うれしいけど」
と、顔を背けつつ答える。
表情は見えない。
これは、何というか、渋々言わせてしまった感。
本人を前にして迷惑だとはっきり言う性格ではないよね、
辞退すべきだと察し、愛想笑いを浮かべる。
「あはは、私より別の人を──」
「お前、それ、気の利くクラスメイトのロールプレイしてるつもりなら勘違いだからな」
私の言葉にかぶせるように
うっ、冷たい。
ダメな奴でごめんなさい。
少し心がえぐれつつ、どういえばいいのか考える。
この場で一番適した返答ってなんだ……?
「いや、本気で分かんないのかよ」
私の様子に
すると、コノカちゃんの姿が消え、
私の前には、試すように私を見る黒髪転入生と、少し顔の赤いクラスメイト。
二人は、本当に私を必要としてくれてるのかな。
だとしたら、それはとてもうれしくて──。
「あの、えっと」
おずおずと、でも、しっかり口に出して言う。
「私、がんばるね」
その答えに二人は、
「おう」
「よろしくね」
とそれぞれの答えを言う。
これから私はこの二人とともに、人格どころか人生変えちゃうような経験をすることになるのだ。
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