第4話 転校生とクラスメイト
「そういえば、なんでコノカちゃんの姿なの?」
コノカちゃんになりきっている私は、残りの化け物を探すため階段を降りながら隣を歩く才波君に尋ねる。普段の私なら疑問に思ってもきっとこんな風に話せない。
「──それは」
と、口を開きかけたところで、
「
と、別の誰かが
声の主はちょうど階段を上ってきただれか。踊り場のところで私と
優しく真面目そうで、背の高い男の子。
彼は
「え、
「コノカちゃん!?」
私の方も思わずその名前を呼んだ。
見た目は全然似てないよ。性別だって違う。でもなぜか私はその名前を口にしてしまっていた。
コノカちゃんに似てないけど似ている男の子は階段を上って、私のそばまでやって来る。
「なんでここに」
「忘れ物を取りに学校に戻ったら、
簡潔にそう説明すると、コノカちゃんに似ているけど似ていない男の子はキッと才波君を睨みつける。
「
「あ~あ~うるせえな。悪かったよ。それよりお前いいのか?」
「正体ばれてんぞ」
「あっ!」
男の子は今気づいたと言わんばかりに驚いた声をあげて、そして私を見る。
「ち、ちが」
フルフルと首を横に振って必死に言い訳をしようとしている。
「僕はコノカじゃないし、君のことも全然知らない。無関係の人間だ」
「無関係……」
う、傷つく。
友達に否定された。友達だと思ってたのは私だけだよね、やっぱり……。
「あーあ、お前が冷たいこと言うから
「うるさい、
男の子はしどろもどろになり、吹っ切れたように息を吸い込んで、
「僕は
そう告げた。
コノカちゃんが
「……?」
「混乱するよね、わかる」
首をかしげる私に、
「改めて僕は
「にっ、えっ、じゃあコノカちゃんは本当はいない人ってこと?」
「あーうん。まあ、そんな感じ。少なくとも5年2組に通う
「なんでそんなことを……?」
「
「コノカちゃんの姿だと戦えるの?」
「戦闘に特化した能力を設定してるからね。今回は
ほえー、なるほど。
戦闘に特化……。確かにコノカちゃんは運動神経抜群だ。あの魚人の攻撃をよけるのも簡単なのかも。
そっか、でもそっか。
コノカちゃん、本当はいない人なんだ……。
なんだかさみしい。
それと同時に、改めて
コノカちゃんの姿をした
姿は違うけどコノカちゃんに似ている
それぞれを見比べていれば、
「えっと、僕は
「えー全然いいよ!
「そっか。……なんだかいつもより明るいね」
「そうかも。
「へー。……
「明るくてはきはきしてかっこいい人!」
「そ、そっか!」
「話しまとまったんなら、さっさと退治に行くぞ」
と、前を歩きだした。
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