第3話 例えば
続、放課後の教室内。
「
「う、うん……」
「今、そんな消極性を発揮されたら大変まずいことはわかるな」
「うっ。うん……」
「だから、これから
そう言って
「今から
「?」
わからなくて、頭をかしげる。
「なりきるんだよ、
「なりきるって」
「
「コノカちゃんを演じる……」
「ああ」
む、むむ。急に言われても難しくて……。
悩む私に、
「例えば、下校中、列の一番後ろで困り顔をしている同級生がいたら
「どう……。どうしたの、って聞く……?」
下校中のことを思い出して、そう答えた。
「ああ。じゃあもし放課後の教室で化け物に遭遇したら?」
「──驚くとは思う。でも怯えるだけの私と違ってあの化け物が何なのかとか、逃げる手段とか、いろいろ考える、かな」
「ああ。じゃあ、化け物を倒さないと他の人に危険が及ぶってなったら?」
言われて考える。
もしコノカちゃんだったらどうするか。
まずはこんなことに巻き込まれたことにため息をつくかもしれない。
そのあとは、たぶん──。
「みんなを助けるために行動する、と思う」
混乱とか恐怖とかそっちのけで、他人のために行動するんだ。
そう行動するだろうコノカちゃんの姿がありありと思い浮かんで、自然に口についていた。
「よくできました」
「っ」
コノカちゃんの顔なのに妙に格好良くて、一瞬ドキッとしてしまった。
「さあ、永田さんの心の中の
「う、うん!」
私のロールプレイングが始まる。
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