第2話 幼稚園までの私
まず、はじめに。
2024年11月25日、めでたく40歳を迎えることになりました。
そんな幼少期の私はどんな子供だったかと言うと、とにかく目立たない暗い子でした。
性格的な問題もありますが、単純に幼稚園に通う日数がとてつもなく少なかったのです。
原因は私と弟共々、病気がちだったからです。
誰かが風邪を引けばたちまち全員に移り、代わる代わる熱を出すという負のスパイラルが出来上がっていました。
専業主婦だった母ですが、年子の子供3人の面倒を見るのは、とても大変だったと思います。
車の免許も持っていなかった母は、かかりつけの病院までタクシーやバスで連れて行ってくれました。
どうして、車の免許くらい持っていなかったのかなと不思議に思うのですが、母は結婚する前は電車もバスも沢山走っている都会に住んでいて、車と言う移動手段が必要では無かったようなのです。
それが、父と結婚した途端、バスも1時間に数本、駅まで車で15分と言う田舎に引っ越してきたのです。
車の免許が必須の場所で移動手段は自転車と徒歩だけと言う母は、本当に苦労したと思います。
そんな事から、幼稚園には月の半分くらいしか通園出来ていなかった私達姉弟。
当然、仲の良い友人が出来る事はありませんでした。
まぁ、休むことなく幼稚園に通園出来ていたとしても性格的に考えると仲の良い友人が出来ていたかは謎な所です。
友人がほぼいなかった私にとって、幼稚園の先生に構ってもらう事が多かったです。
ただ、大人に対して調子に乗る事が多く、怒られる事も多々ありました。
1番怒られた思い出は、ストーブ事件でしょうか。
ストーブのそばで温まっていた先生の背中に突進し、先生が危うくストーブに突っ込みかけるという事件です。
いつもは優しい先生でしたが、この時ばかりは私の両腕を掴んで、「どうしてこんなことするの!危ないでしょ!」と怒鳴りつけてきたのです。
もちろん私が悪いので怒られるのが当たり前なのですが、その当時の私は怒鳴られた事にびっくりして、きちんと謝る事が出来なかったと記憶しています。
今となっては、いつも何かと気にかけてくれる優しい先生に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
幼稚園に親しい友人がいなかった私ですが、友人が全くいなかったわけではありません。
私達家族は、私が幼稚園当時社宅に住んでいました。
社宅には同年代の子供が多くいて、遊ぶには困りませんでした。
特に、我が家の前の部屋に住んでいた家族にも私と同い年の男の子がいました。
幼稚園に入るまでは毎日のように遊んでいました。
弟とも仲が良かったので、家では外と違ってとても賑やかな子でした。
本当に「内弁慶」と言う言葉が良く似合う子供でした。
さて、この年代における選択ミスと言えば、幼稚園の選択ミスです。
昨今とは違い、幼稚園バスなどほとんど走っておらず、近所の幼稚園に通うのが普通だった時代。
私も例に漏れず、家から一番近い幼稚園に入園しました。
しかし、その幼稚園と言うのが、遊びを重要視した幼稚園で、勉強は一切しなかったのです。
普通の幼稚園ならひらがなや数字の練習をするのが当たり前だと思うのですが、遊び特化の幼稚園では、外遊びや工作などばかりでした。
そんな幼稚園の方針に両親は何の疑問も抱かずに、私は小学校に入るまで自分の名前すら書けない状態だったのです。
これは、私の選択ミスではないですが、明らかに私の人生における最初の選択ミスだと思います。
ちなみに、次の話で詳しく書くのですが、一切勉強が出来なかった事が一因となり、小学校入学してすぐに登校拒否になったのです。
登校拒否になった私をみて、両親は弟たちには幼稚園に通っている間に、自主的に勉強をさせていました。
私を見て学んだという事なのでしょうが、それなら「私にも同じことをしてくれよ」と何度思ったことでしょうか。
勉強をする弟を見て、恨めしい気持ちになったのを覚えています。
そしてもう1つ。
私の人生に欠かせない出来事が幼稚園時代にありました。
それはピアノを習い始め、私の音楽人生が始まった事です。
そもそもピアノを始めた理由は、社宅の友人がことごとくピアノを習い始めていて、私もどうしてもやりたくなったからです。
それまで、何の習い事もしていなかったので、両親も奮発してくれてピアノを購入してくれました。
ピアノの練習は正直、最初の頃しか楽しくなかったように思います。
つまり、私にはピアノと言うか音楽の才能が無かったのです。
だけれども、この後の私の人生に音楽は欠かせない物になっていくのです。
もちろん、音楽を続けていた事で、嫌な思い出ばかりだとは言いません。
沢山の、人との出会いを作ってくれたのも音楽なのです。
本当に音楽が嫌なら、途中で音楽を辞めるという選択も出来たので、今も続けているという事は、結局は私の人生に音楽は欠かせないのかもしれません。
しかし、もしも幼稚園当時、音楽を選んでいなかったら、音楽を始めていなかったら、私の人生は変わっていたかもしれません。
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