第10話 爆撃
「痛ったァァァァァァァァァァァァァァァ」
ボクは合気道により爆撃の威力を逸らすことを無意識下でおこなっていた。だが皮膚が焼かれるのを防ぐことは出来なかった。
ボクはあまりの激痛に叫ぶことを禁じえなかった。ボクは真っ先にあやねを確認した。
あやねが着ていた服を含め全て燃やし尽くされていた。この匂いは嗅いだことがある。人が燃やされる匂いだ。
幼い頃の記憶が蘇る。
「おとうさん。おかあさんはどこにいるの?」
「…お母さんはね、お空の上にいるんだよ。」
「おそらのうえ?じゃあそらとんでいるんだ!」
「うん。そうだよお母さん飛んでるんだよ。」
そう言った父は少し悲しそうな顔をしていたのを鮮明に覚えている。
今思えば、あの白い物体はお母さんの骨だったのかもしれない。もうあの時はお母さんはこの世にいなかったんだ。そして6年後にお父さんはボクの前から姿を消した。ボクが12歳の頃だった。
トんでいた思考を現実へと引き戻す。
辺りを見るとコックやメイド達が軽傷。
食卓を囲んでいたひじやま、お義父さん、お義母さんが共に重症。
...そしてあやねが即死.............か.......
今にも叫びたい。胸の内から湧き上がる喪失感と耐えられないほどの怒り。心が混濁していく
俺のあやねが...今はあやねの亡骸を抱いている時間は無い。まずはこの爆破元を調べなければいけない。仕事に私情を挟むな。落ち着いた精神でいなければ合気道は完全に扱うことは出来ない。
ピュッン ピュッン
俺に向けられ2発の銃弾が空中を遮った。
俺は向けられた銃弾を合気道で受け流し、俺の後ろにいるコック達を守った。そして速く逃げるように伝えた。
俺は銃弾が飛んできた方向に向かって走りだした。だがそこには一通の手紙が置かれていた。
3a 8bここに私はいる。
ご丁寧に自身の居場所を教えてくれた。
俺は合気道の応用技『輪』を使い血液に気を持たせ、筋肉収縮を上げ移動の速度で身体が傷つかないように、身体にも『輪』を使い時420kmにもなる速度で指定された地点へと向かった。
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