第6話 日常
ボクは急いで家に帰り、キャリーケースに私物を乱雑に押し込んだ。いろいろ探していると、懐かしいものが見つかった。そう幼い頃のあやねだ。勿論その頃のあやねとは全く面識がない。つまりうん。何が言いたいか分かるよね?
盗撮写真ってこと。そうボクがこの学園に入学したのもあやねがここへ入学すると信頼出来る仲間エイダくんから虫の知らせが来た。
「ふっ懐かしいな...昔のボクは力がなかった。でも今は違う。あやねを守る十分な力を得て、あやねのお父上に認められた」
そう、そうなんだ。ボクはついにあやねと一緒に暮らせるんだ。ハッッッ暮らせるということはお風呂を覗くことが不可能から可能になったということだ。ボクは感謝した。
「お父上、いえお義父様。ありがとうございます!」
ボクは天にむかって祈りを捧げた。ボクは無神論者だが、この時だけ神様に感謝した。
そして午後十九時頃……
ピンポーンンンンンンンンン
さすがは貴族。豪華な家だ。東○ドーム4000個くらいはあるんじゃないかと思ってしまうほど広大な敷地だ。
「貴方がきよた様ですか?」
「はい、そうです。」
「ではこちらへ...」
まだ幼いが溢れ出る存在感...この青年良き師範を見つけたようだな。まだ名も知らぬ私を前に
警戒を気づかれないようにしているようだが、まだ『気』を扱う経験が足りていないようだな
……なるほど。我が主人はそういう目的もあったのか。
「こちらでお待ちください。」
「にゅぅん!」
ボクは緊張をほぐすために鳴いてみた。
「……」
「……」
少し沈黙が流れたあと
「では少々お待ちください。」
そう言って部屋から出ていった。
二十分くらいたっただろうか……
ガチャッ
「待たせてすまないきよたくん」
「いえいえ、」
「では、簡潔に説明する。雇用期間はとりあえず娘が高校を卒業するまでの間だ。」
「はい(よっしゃああぁぁぁぁぁああぁぁあ)」
「そして、朝ごはん夜ご飯は食堂でみんなで食べることになってる。忘れないようにな。そしてお昼ご飯はうちで雇っているコック長が作ってくれるから心配はするな。」
「はい(さすが貴族。専属コックくらいはいるか)」
「そして部屋だが...これは悩みに悩んだ。」
「はい(前置きなげえな早く言えよ)」
「あやねの隣の部屋だ。」
「いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ(はい)」
「……おっほん」
「あっすいません。大きな声を出して」
やっべやっべ逆になっちゃった。
「まああとは生活していく中で話す。では、今から夜ご飯だ。荷物を自室に片付けたらすぐに食堂に来い。」
「分かりました!」
こうしてボクはあやねの専属ボディガードとなった。
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