第5話 契約
受け流せなかった...あいつ師範並みだな。
勝てるかどうか分からない...だがボクは負ける訳にはいかないんだ!自分を奮い立たせ、体勢を整える。まずは深呼吸だ。すーはーすーはー
よし少し落ち着いた。状況を理解しなければ
相手はたぶんこの前エイダくんにあげた死体の上司的な立ち位置の人だろう。服装が黒一色だし...それに顔が怖い。ていうかよく見てみると
頭ハゲてるやん……坊主かと思ったらスキンヘッドの上に小さく「キノコ」っていっぱい彫ってる。
……まずは小手調べだ。
「ハッッッッッッッ!!!」
ボクは『気』の塊を放った。一般的にはこれを気弾と呼ぶのだろう。だがボクの気弾はそんじょそこらの気弾とは一線を画す。
「なんだこれは!?」
ボクの気弾は特別なんだ
さてとトドメをさすか。
「た、頼む命だけは...見逃してくれ」
男は泣きながらボクに懇願してきた。
「おい、俺が許せないのは俺の女を害そうとするやつとキノコを好んで食べるやつだ」
「分かった、もうキノコを食べないようにするだから頼む命だけは」
「えりゃァァァァァァァァァァァァ」
ボクは男の息の根を止めた。
危なかった。何とか勝てた。運が良かった。
あの男が本気でボクにかかってきたら五分五分だった。最悪、あの技で切り抜けるつもりだったがアレはあくまで最後の切り札。易々と使えない。
「よいか、きよたよ『あの技』は確かに威力は申し分ない。しかし危うい。身体にとてつもない負荷がかかる。来るべきその時までは使うでないぞ。」
「はい……分かりました師範」
さてと家に帰るか。あー疲れたもうヘトヘト
「誰だ?」
「おっとそう警戒しないでくれたまえ」
「……ボクになんの用?」
「私はあやねの父親だ。」
「証拠は?」
男は歳をとっているようだ。パッと見で56歳ほどだろう。綺麗に整えられた髭。ボクでも見ればわかる高貴な身分だ。
「これを」
男はそう言ってボクに免許書を見せてきた。
確かに彼女の父親だ。
「さっきの態度はすいません。それで何の用なんですか?」
「うん。実は君にある提案があるんだ。」
「提案?」
「そうだ。私に雇われてみないか?」
「ボクを雇う?」
「衣食住はもちろん提供する。君が望むなら、ある程度の物は君に与えよう。どうだ?この提案受けてくれるか?」
確かに良い条件だ。それにあやねのお父さんの家に泊まれるときた。
これはもうあやねちゃんとの同棲ライフを満喫するチャンスじゃあないか。
ボクは少しは悩む素振りをみせ、答えた。
「分かりました。荷物をまとめ十九時にはあなたの家へ参ります。」
「嬉しい返事をありがとう。」
これから始まる新たなボクのせいかつ♡
間違えたボクのじゃない。ボクらの♡♡だね。
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