SS「真相やいかに」

沼津平成

電車でおりろ

「お客様、お客様!」

 という声に俺は起こされた。

「あぁ……金出地かなじ。ご苦労様!」

 俺は金出地を軽く抱きながら電車をおりて、階段をあがっていく。きつめの酒臭さに金出地はむせた。

 金出地というのは俺のロボットだ。あの日、駅で金出地を出会ったのは、それがはじまりだ。


 しかし、いまだに「お客様」扱いはどうしてなのだろうか。俺がそのことについてきくと、その日から俺に対してだけ呼び捨てになった。はぁ、呼び捨てにしたいのはこっちなのに。

 まさか俺が金出地より下なんて――。そんなことないか、そうだよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

SS「真相やいかに」 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る