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帰宅した両親が見たのは、バットを片手に立ち尽くす勇樹と、泣きじゃくる春翔、そして床に倒れ全く動かないオアだった。
「何があったのか、説明しなさい」
すぐさま家族会議が開かれた。両親は子ども達を前にして、険しい表情をしている。
子ども二人は何も言わない。
「勇樹! 春翔!」
痺れを切らし、母がその名を呼んだ。
「……ごめんなさい……」
春樹が泣き腫らした目でぼそっと言う。
「どうして、こんな事したの?」
母に責められ、春翔はまた目に涙をためる。
「オアがいなくなれば、またお母さんとたくさん話せるかなって……」
驚いたのは両親だ。子どもがそんな事を考えているなんて、思ってもみなかった。
「父さんも母さんも、俺たちの事はオアに任せればいいと思ってたんだろ」
勇樹が両親を責める。
「機械に相手させておけば、子どもは満足するだろって、そう思ってたんだろ?」
父母を委縮させる程に、勇樹の眼は鋭い。
「違うの、お母さん達は、二人が寂しくないようにって思って……」
「こんな機械が、親の代わりになるとでも?」
「……ごめんね……」
沈黙が訪れた。重い空気の中、春翔の嗚咽だけが響く。
「……捨てようか」
父が沈黙を破った。家族は顔を上げ、裕一を見る。
「オアを捨てよう。父さんと母さんが、悪かったよ」
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