第13話 魔女のみる悪夢

 こうして、彼に支えられながらわたしは生きている。


 からかわれて噴火しそうなくらい熱くなることの方が多いけど、ジャドールはわたしの良き心の支えになってくれていた。


 もちろん、口下手なわたしはそんなこと軽々しく言えるはずもなく、いつも思ったことの十分の一も伝えきれていないのだけど、心の中では彼を想うたび伝わればいいのにと願い、感謝することを繰り返していた。


 普段はほとんど起こることがなかった出来事と遭遇した。


 いつもささやかな毎日を過ごしいていて、ジャドールが支えてくれるから困難なことがあっても、悲しいという感情や怒りという感情が生まれることはない。


 だからこそ、街に出るのは刺激的で、ずっと忘れかけていた感情を呼び起こすきっかけになったりもしていた。良くも悪くも。




 だからなのかもしれない。


 その夜は、久しぶりにあの夢を見た。

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