かつてダンスバトルの大会を総なめにし伝説を打ち立てた青年・砂川拓実。しかし31歳になった彼は、どこにでもいる冴えない会社員になっていた。21歳の鳥羽春親と海堂清史はかつて拓実に憧れプロのダンサーを目指す若者だった。偶然、拓実と出会った春親と清史は、彼をプロへの登竜門となるダンス大会のチームメンバーに誘う……。
大人になって一度は夢破れたおじさんサラリーマンが、再び夢と情熱を追い求める青春リブートストーリーです。
かつてはダンスバトルでは敵なしだった拓実ですが、ブラックな上司に理不尽に叩かれ、後輩からは面倒事を押し付けられ、すっかり自信を失ってしまった姿に胸が痛みます。
だけれど、そんな拓実を信じる春親と清史の若さが眩しいんですよ。二人にとっては今でも幼い頃に憧れたヒーローのままで、絶対に彼となら優勝できると信じているんです。
そんな純真な若者たちに期待されたら年長者としてカッコ悪いところ見せられないですよね。練習を重ねながら昔のカンを取り戻していく拓実の姿に応援したくなっちゃうんです。ダンスに年齢は関係ない。おじさんダンサーの意地を見せてくれ!
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)