第16話
今日も今日とて、小鳥の囀りで目が覚める。
ふぁ〜ぁ。
大きな欠伸をかました後、ゆっくりと体を起こす。
うん。今日も目覚めは完璧だ。
ふわふわ寝具のおかげで今日も体の凝りは一切感じず。
気温も適温で過ごしやすい。
最高だぜ〜。
目を擦りながら周囲を見渡すと、徐々に見慣れ始めた部屋の内装が目に入る。
うん。相変わらず綺麗だよね。
自分の家じゃないけど、、、。
早いもので。このお城に来て一週間が経過した。
その間、本当にあっという間だった気がする。
なにせ此処は慣れない人族の領土。
基本的な生活習慣や食事などは魔族と異なる。
最初はかなり困惑したものだ。
それに言葉も通じないからね。
だが1週間も経てば徐々に慣れてくるもので。
今では人族の言葉も少しだけ理解できる様になった。
「おはようございます。リリィ様」
「おあようおざいます」
「ふふっ。お上手です」
「へへん」
今日も部屋を訪れたメイドさんと完璧に挨拶を交わす。
ふふん。上手いだろう。流石は俺だ。
今こうして会話をしているのは、メイドのメイさんだ。
背中まで伸びた綺麗な茶髪とスラっと伸びた長身が印象的な大人のお姉さん。
どうやら俺の世話係に任命されたメイドさんらしく。
この1週間。ずっと面倒を見て貰っている。
「今日もお着替えを致しましょうね」
「あい」
そんな訳で今日も今日とてメイさんに着替えさせて貰う。
、、、。
って。なんで?
当然の様に受け入れてしまっているが、そもそも何故俺にメイドが付いているのだろうか。
どうやら俺は道で倒れていた所を彼等に救われたらしい。
手当の為にこのお城へ運ばれた様なのだが。
普通に考えて、この待遇はおかしいと思わない?
確かに俺はお姫様だ。
だがそれは魔族の世界に於いての話。
人族には一切関係がない事だ。
なら他に何か理由があるのか?
そう思い考えてみるが一個も思い付かない。
強いて言えば超超超美少女という事くらいだろうか。
分からん。
まぁ何にせよ。考えても仕方のない事だ。
今はこの状況を有り難く堪能しよう。
そんな訳で早速、思考を中断。
今日も鏡に写る自分を楽しむ事に専念する。
今日は黒の基調なゴシックドレスに、リボンがアクセントのハーフアップ。
全体的にゴスロリ風に纏めて貰った。
うん。今日も最高に可愛いな。
「あいがとう」
「どういたしまして」
お礼を述べると頭を撫でられる。
う〜ん。最高だぜ。
「では今日も朝食に致しましょうか」
「あい」
こうして身支度も完了したところで、食堂へと移動するのだった。
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