第25話 大蔵武道少しだけ本気出す①


 東○大学医学部○号館


 Android大蔵美幸み~ちゃん

 女子トイレへ向かう。


対象タゲが移動しました。尾行しますが目的地トイレなら拘束しますか?」

「ああ、早い方がいい。直ぐに他のレディー部隊も向かわせる。お前達はタゲを眠らせて合流を待て」

 武道の傀儡カーショーが指示を出す。


「「「ラジャー」」」


 同じ室内の留学生に成り済ました3人が後を付け、その他5人も目的地へ向かう。


『これがトイレね、Androidには必要ないけど。3人ちゃんと尾行してくれてるわw早くおいで~』

 誰もいない女子トイレで今か今かと待ち受ける。


 レディ部隊3人が入るやいなや鏡を見て隙だらけにしている美幸Androidに襲いかかり、麻酔薬を含ませた布で意識を刈り取った。


「タゲ確保!!」

「2人は個室に入りタゲをキャリーバッグ(特大)に入れて待機。1人は入口で5人を待て」


 1分程でレディ部隊8人が集結し、美幸Androidの入ったキャリーバッグを運び出す。


「ここからはスピードだ。多少強引に出ても構わん。予定通り看護職員宿舎前にサポート部隊が車を横付けする。それで退散だ!!」部下5人を引き連れた武道傀儡スミスが現れ指示を出した。


 **********


『いいぞ美幸Android透明ドローンでたっぷり動画撮ってるから、このまま拐われたふり作戦だw』

『う~ん退屈だわマスター。それにしても哀れな人達ね、Androidには麻酔も何も効かないのにw』

 武道と美幸Android念話で交信。


「まあそう言うなw奴等はこのまま横田よこでん基地まで走り、軍用機でグアムへ飛ぶ。そこで大蔵家を脅すんだとよww」

『途中で飛行機墜落させても良いの?』


『ダメだろ絶体!!横田よこでん基地まで録画。離陸したら全世界にSNSライブ放送するから、墜落はダメ!!』

Androidなら平気よマスター。飛行機墜ちた位じゃ無傷だもん。』


『無傷だもんじゃねぇーよ!!あらゆるSNS発信で米国こめこく赤っ恥かかせんだから、墜落させたら魔力供給切るぞ!!』

『ひぃごめんなさい、絶体しません。魔力切れだけは許して下さい。』


『分かったら大人しく拐われたふり作戦頼んだぞ』

『アイアイサー』


 **********


 首都高から中央道を下り八王子IC降りて16号を北上する誘拐拉致軍団。

 目指すは米国こめこく 横田よこでん基地。


「良し着いたぞクルマを裏に回せ」

 スミスと美幸Androidカーショー等を乗せた車3台は首都高速に入る前、青ナンバー大使館車輌に乗り換えている。外交特権で警察の職質等を排除するためだ。

 美幸を拉致した部隊は大学を出た直後に全員洗脳され、今は武道の指示で都内に分散待機中である。


 米国こめこく横田よこでん基地最奥の部屋。

 海軍特殊部隊○ avy SEALs (○イビーシールズ)チーム5のベシア大尉が待っていた。


「予定より早かったな」

「C○A直々の依頼だ、失敗は許されない。」武道に完全洗脳された我等がスミス君が答える。


「C○Aと言えばグアムアンダーセン空軍基地に、本国から上層部が5人も来てるそうだ。」

「ここから先は俺達に関係無い。この身柄引き渡し完了書にサインしてくれ。」


「極秘任務にサインだと!!何の冗談だ。証拠品として残る文書なんぞ用意しやがって、ふざけてるのか!!」

「我等組織の自己保身だ。口封じで消されないためのな」

 ベシア大尉の恫喝に1歩も引かないスミス君。


「それとも普段、北○○を相手しているチーム5はサインの意味も知らないのかw」

 今度はさげすむような薄笑いでスミス君が挑発する。

「死にたいのか貴様!!」

 軍人特有をぶつけてくる大尉殿。


「いいのか?俺等が戻らなかったらC○Aとハドソン少佐が動く。本国政府が黙っちゃいないぞ!!」

「元海兵隊員だからって粋がるなよ!!」


 今にも殺しあいが始まりそうな2人の間に、堪らず割って入るカーショー君

「スミス止めろ!!大尉殿も不本意だろうがサインお願いします。これは大蔵美幸Androidだが拉致誘拐の契約条件としてC○Aと政府も承認済みの正式文書なんだ。」

「チッ!!ほらこれでいいだろ。とっとと青ナンバーで赤坂大使館に帰れ。」


 捨て台詞を吐き部屋を出て、美幸Androidの身柄をグアム行き軍用機に乗せるよう部下に命じる大尉殿。


 **********


『スミスにカーショーよ。○ avy SEALs 相手に良くサインを貰えたな、褒めて使わすぞ』

 武道は洗脳した相手とも念話パスを繋げる事が可能。


『『ははぁ~主様のお役に立て喜びで震える思いでございます。』』

 その場で跪く2人。


『もう良い立つのだ。では2人と実行部隊48人皆にも最後の仕事を与えるゆえ、必ず成し遂げるのだ。』

『『『『『ははぁ~主様。存分に申し付け下さいませ。』』』』』


『ではよく聞け。皆でこれから警視庁本部庁舎に向かい、大蔵美幸 拉致誘拐事件の実効犯として自首するのだ。取調べにも嘘偽り無く全てを話すのだ、良いな。』

『『『『『ははぁ~主様の思し召しとあらば我等全員、総力を尽くしまする』』』』』


『では行くが良い。これにてさらばじゃ』


「さてと残りはハドソン少佐だな」


『ハドソンよ今すぐに大使館を出よ。地下鉄東西線・東陽町駅で降り、大蔵道場本社ビルの大蔵エネルギー受付フロアに向かえ。』

『ははぁ~主様仰せのままに。』


『そこでこう言うのだ。本日8:40 米国こめこくは大蔵美幸を拉致した。今頃は横田よこでん基地から軍用機でグアムへ向かっている。我が国への光子エンジン&エネルギー輸出制限を解除しろ。さもなくば生命の保証は出来ない!!とな』

『ははぁ~では直ちに向かいます』


 武道の指示に従いそれぞれが桜田門に向かう。勿論その全てを透明ドローンで絶賛撮影中だ。


 **********


「これで良しと。

 腹へったと思ったらもう12:30かよ。たけにぃは?大学構内にいるな。迎えに翔んで一緒に昼飯食べるか。ホイ」


「うわぁ!!武道か…それいい加減止めろ、突然目の前って(汗)先に1本入れろよ」

1本じゃないのが良いねwじゃあ翔ぶよホイ」


「…だからホイじゃねーだろ……突然ホテル イースト21東京って…」

「21階の日本料理さざんかのしゃぶしゃぶ食べよう。」



 個室の桂(別途 個室料金8,000円)に2人で座る。


「え~と和牛しゃぶしゃぶ膳10人前と海老天重5人前。それと締めに深川飯5人前ね」

「?お連れの方々が後からお見えになるのですね?」


「ん?何で?2人だけだよ」

「お、御二人様ですか?確かに大きいお身体ですものね(汗)」


「今のは俺1人分の注文だから。たけにぃも好きなの頼んでよ。」

「い、1人前………」


「おい武道。お前は世間の胃袋常識、逸脱し過ぎなんだよ。」

「分かってるよ、で何食べるの?」


「肉は今朝たっぷり食べたからな、魚にするか。うどんとにぎり寿司のランチセット5人前で。」

「5人前……」

「ああそれと下町育ちには締めの深川飯必須だ、3人前頼む。」

「は、はい喜んでーーー(汗)」


 異常なオーダー数量に逃げたw


「喜んでーってwここいつから居酒屋スタイルになったんだろ。」


「それより武道、うちの部隊出番無くていじけてたぞ。みな満々で配置付いてたのに。」


 尊も勤務中には見せない叔父と甥とのフランクな口調で話す。


「いやいやたけにぃ気のやるが違うからw全く大叔父上の狂戦士バーサーカー影響受けすぎだよw」

「SNS配信は17時ぐらいか?」


「大蔵本社の広報部が全力編集中。フルだと今朝8:30~この後15時過ぎの警視庁本庁&ハドソン少佐in大蔵エネルギー狼藉事件w 現役海兵隊少佐の超エリートだから世界中でトップNews確定だね」


「編集バージョンは?」

「30分短縮version先ずはこっちを夕方流すよ。美幸Androidを乗せた軍用機は12時に横田出たから14時からLIVE配信スタート」


米国こめこくも日本政府も大騒動になるな…」

「有耶無耶にはさせない。大蔵一族郎党に手出ししたらどうなるか、世界中に知ってもらう。今夜 米国こめこくの政治・軍事・経済トップ連中30人程と各マスコミトップや著名アナリスト30人、下級神軍団使役して浚う準備は完了してるよw」


「…若。恐ろしい事をさらっと言わないでくれますかな(汗)」

「たけにぃ急に口調が仕事モードw」


「神様にタメ口は駄目かなと…まさか首チョンパの?」

「しないから。まあでもこの世の恐怖を叩き込んでやる。心臓発作起こしたら即回復させ何回も悪夢を見せる。」


「……武道、これからはプライベートでも若と呼ぼうかな…」

「やめてよーたけにぃwおっ来たよ食べよう!!」


 この甥っ子は絶対に怒らせたらいけないと改めて誓う大蔵 たけるであった。



ーーーーーーーーーー


何度もくどいようですが、この物語はフィクションです。国名・団体名・個人名等は全て作者の妄想であり、実在致しません。

米国こめこくは架空国家です。

作者の妄想国家ですm(_ _)m


米国こめこく=ルビの通り(こめこく)


横田よこでん基地 =ルビの通り(よこでん基地)


C○A =シーマルエー

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