花水月の恋

### 第6話: 永遠の誓い

宴の騒がしさが落ち着いた頃、紫穂は陸風に最

後の思いを伝えることを決意した。彼女は心の

奥深くまで彼を想い、周囲の圧力に屈すること

なく、彼との愛を貫くために執念を燃やしてい

た。

＊

運命の岐路に立って、紫穂は陸風と再び会うた

めに約束をした。森の中で、桜の木が雨のよう

に花びらを散らし、二人の愛を見守っているか

のようだった。彼女は陸風を待ちわびつつ、心

の隅々にある不安を押しのけていた。

＊

ついに、陸風がその場所へとたどり着いた。優

しく笑う彼は、その瞬間、紫穂の心を穏やかに

した。

「紫穂、どうしたの？」

彼の声には温かな響きがあり、彼女の心を照ら

した。

「陸風、私は、あなたを見失えない。無駄に他

人の期待に応える必要なんてない。私の心は、

あなたのものだと改めて伝えたいの。」

彼女は全ての思いを吐露し、一片の恐れもなく

彼に向き合った。

＊

陸風は驚きつつも、目が潤んだ。

「紫穂、私も君を愛している。君の心に寄り添

って生きることが私の夢だが、この愛が君の未

来を奪うことは心から願わない。」

「あなたがいるからこそ、私は生きる力を得

る。だから、私たちの愛を守り抜きたい。」

紫穂は強い決意を見せた。彼女の言葉は彼の心

を捉え、陸風の目にも決意の光が宿った。

＊

二人は手を取り合い、誓いを交わした。

「共に未来を切り開こう。どんな困難が待ち受

けていても、私たちは共にいる。」

この約束は、彼らの愛の永遠を象徴するものと

なった。

＊

数日後、紫穂は父の元へ向かい、悲しみを胸に

決意を伝えた。

「お父様、陸風と共に生きると決めました。私

の未来は自分で選びたい。」

紫穂の言葉は父の心を揺さぶり、彼は少し驚い

た表情を見せた。しかし次第に彼の心に理解が

芽生え、自分の娘の幸せが何より大切であるこ

とを感じた。彼は困難な道のりであることを承

知しつつも、彼女の選択を受け入れた。

＊

こうして紫穂と陸風の絆はさらに深まり、二人

は共に未来へと歩んでいくことを決意した。彼

らは愛を通じて運命の試練を乗り越え、真実の

絆を築くことを誓った。時が経つにつれ、愛の

力は彼らを導く光となり、二人の心の中に深く

根付くのだった。