その後 ### 第7話: 幸せの花嫁

春の暖かな陽ざしが降り注ぎ、桜の花びらが舞


い散る中、紫穂と陸風の結婚式の日がやってき


た。青雲城の庭は色とりどりの花で彩られ、二


人の愛を祝うかのように美しく飾られていた。


家族や友人、村人たちが集まり、愛の証人とな


ることを誇りに思っていた。



紫穂は、母から受け継いだ美しい白い花嫁衣装


に身を包み、その背後には満開の桜の木が立っ


ていた。彼女の心には高揚感が満ち、長い間待


ち望んだ瞬間が、ついに現実となることに夢心


地になっていた。しかし、同時に緊張も感じて


いた。


「大丈夫、紫穂。今日は私たちの特別な日だか


ら。」


陸風が彼女の手を優しく握りしめ、その目に温


かな輝きを宿して微笑んだ。彼の存在に安心感


を得た紫穂は、自然と心が解きほぐれた。


「ありがとう、陸風。」


式は盛大に始まり、神官が結婚の誓いを述べる


中、二人は目を合わせてお互いの愛を再確認し


た。陸風の手は紫穂の手をしっかりと握り、彼


の心には永遠の誓いが満ちていた。


「私と共にいて、共に歩んでいこう。どんな困


難があっても、あなたを守り続けます。」


陸風の言葉は力強く、紫穂の心に深く響いた。


「私も、あなたに誓います。私たちの愛は永遠に


続くものです。」


紫穂の声は涙で揺らぎ、穏やかな幸せが全体を


包んでいた。



その瞬間、二人の運命が結ばれ、祝福の拍手が


鳴り響く。参列者たちの笑顔に包まれながら、


紫穂と陸風は愛の印として息を合わせ、静かに


キスを交わした。周囲からは喜びの声が起こ


り、二人の愛が周囲を照らす光となった。



式が進むにつれ、友人たちが立ち上がり、賑や


かな余興や楽しいゲームが繰り広げられた。紫


穂と陸風は、照れ隠しに笑いつつ、互いに楽し


む姿を見つめ合った。愛が育まれていく中、彼


らは心から笑い合い、幸せをかみしめていた。



そして、結婚式が終わった後、二人は青雲城か


ら出発し、小さな家を借りて新生活を始めるこ


とになった。初めての夜、彼らは嬉しそうに互


いの手を取り、夜空に輝く星々を見上げた。


「これからの人生を共に歩んでいこう。」


陸風が言うと、紫穂は心が温かくなり、深く頷


いた。

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