### 第2話: 別れと再会

青雲城の街外れ、紫穂は、心に住む不安を抱え


ながら父の元へ向かっていた。彼女は前の日、


陸風との素敵な出会いを報告したものの、父は


それを受け入れなかった。紫穂の心には、彼と


の再会を願う気持ちと、父の厳しさが交錯して


いた。



重い空気の中、紫穂は父の書斎の扉をそっと開


けた。そこには、威厳を持ち、厳しい眼差しを


持つ父が待っていた。


「紫穂、今すぐ陸風のことは忘れなさい。彼は


身分の低い武道者だ。お前の未来には相応しく


ない。」


「お父様、でも…」


紫穂は言葉を続けようとしたが、父の冷たい視


線に阻まれた。心が引き裂かれそうだった。彼


女は陸風の優しい笑顔を思い浮かべ、その存在


を失うことが耐えられなかった。


「私が決めることよ、紫穂。」


父の声は静かだったが、同時に


「従え」


という強い意志を感じさせた。紫穂はうなだ


れ、父の前でひざをついた。


「申し訳ありません、ですが…」


「即刻、大人しくするのです。」


父は無情に言い放ち、その場の空気をさらに冷


たくした。



その日の夜、紫穂は月明かりの下で涙を流して


いた。このまま陸風と別れなければならないの


か、彼との運命の出会いは一時の夢だったのか。


「諦めたくない…」


と呟いた瞬間、心の中で何かが燃え上がった。



時が経つにつれ、紫穂は陸風のことを思い続


け、一度でも会いたいと強く願った。数ヶ月


後、ある日、紫穂は友人の李梅と一緒に青雲城


の外で花を摘んでいた。ふと、その時の春の香


りに心を躍らせていると、遠くから聞こえる武


器の音に引き寄せられた。



音のする方へ近づくと、そこには陸風が剣を振


るっている姿があった。彼は周囲の人々から称


賛の声を浴びていたが、紫穂の姿を見つけた瞬


間、目が合った。まるで時間が止まったようだ


った。彼の背後には桜の花が咲き誇り、その美


しさは二人の再会を優しく祝福しているかのよ


うだった。


「紫穂!」


驚きと喜びが交錯する声で彼は呼びかけた。紫


穂は心臓が高鳴り、飛び跳ねるように彼の元へ


駆けつけた。


「会いたかった!」


二人は言葉を交わすことなく、ただその胸に飛


び込んだ。



その瞬間、懐かしさが溢れ出し、全ての不安が


消え去った。運命の出会いは続いている。再び


手を握り、二人は金色の夕日を背に歩き出す。彼


女たちの心には希望が満ち、道は新たな愛の旅


に向かって続いていた。

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