クロスセイバー編
第5話「オビトの追憶」
グレイザー=桐崎守の記憶を取り戻した優は元の自分達の世界に帰って来た。
「良かったわね、守さんの記憶が戻って」
瑞稀が声を掛けると。
「まぁな」
「もう……素直じゃないんだから〜」
「ハハッ……まぁ、いいさ。やるべき事は果たしたんだ。俺は一度基地に戻って報告してくるから」
「あっ、はい」
大谷はBLADEに基地に帰って行く。
「さぁ、おじさんも待ってるだろうし帰ろう」
「ああ」
ポレオに戻る優と瑞稀。
「おかえり……二人共何処行ってたんだ?」
裕二郎が2人を迎える。
「うん……ちょっとね……」
「それより、もうすぐ開店だろ?準備しないとな」
「あっ!私学校行かなくちゃ!!ヤバい!!」
瑞稀は慌てて二階に上がって行く。
瑞稀は急いで準備をして学校へ……。
「じゃあ行って来ます!」
「ああ、気を付けてな」
「おーい、瑞稀……忘れ物……あれ?瑞稀は?」
「今行った所だ……追いかければまだ間に合うだろう」
「しゃーない……届けてやるか……」
優が瑞稀を追い掛ける。
「おーい!瑞稀待てよ!」
「え?」
「忘れ物」
そう言って優は体操着の袋を差し出した。
「あっ……ごめんごめん。今日体育あるんだ助かった!んじゃ!」
「おう」
瑞稀は再び走り出した。
優が戻ろうとしたその時……。
ふらふらと歩く男が……。
「あ〜……腹減った……」
男は空腹で倒れ込む。
「お、おい……大丈夫か?」
「腹……減った……」
「はぁ?」
ポレオに戻った優。
その男も連れて来ていた。
「おかえり……誰?その人……」
「腹ペコらしい……何か食わしてやってくれ」
「まぁ、うちは喫茶店だし構わないが……」
裕二郎はこの男にナポリタンを振る舞った。
「美味い!美味い!」
「本当に腹ペコだったんだな……」
「お代わり!」
「はいはい」
裕二郎は2皿目のナポリタンを出す。
「うん!これもまた美味い!」
あっと言う間にナポリタンをたいらげた。
「あ〜食った食った」
「それで……君は誰なんだい?何でそんなにお腹が空いてたんだい?」
「俺はオビト。仲間を探してあちこち回ってたんだけど、途中で道が分かんなくなっちまってな。途方に暮れてた所だったんだ。いや〜助かったぜ」
「なんだ、迷子か……」
「方向音痴なんだねぇ」
「うっせー!でも本当助かった。感謝するぜ」
「それで……お金は持ってるの?」
「無い」
「……」
「お前なぁ」
「まぁ、今回は優君の給料から引いておくよ」
「何でだよ!?」
「それで……仲間を探してるって言ってたな……どんな仲間だ?」
「うん……ずっと……一緒に戦って来た仲間だ……」
「戦って来た?」
その時、外で爆発音が響いた。
「何だ!?」
オビトは飛び出す。
「お、おい!」
優も追い掛ける。
爆発の起こった現場に向かうオビトと優。
そこに居たのはオルタナティブ―クロスセイバーと闇の傀儡達……。
「奴は近くに居るはずだ!探し出せ!」
「アイツ……俺の偽者か……」
「危ないぞ、下がってろ」
「え?いや、お前こそ危ないぞ……どこ行く気だ?」
「フンッ……ちょっと世界を救って来る」
「はぁ?」
優は『グランドチェンジャー』で『変身』
超次元戦士グランドが登場。
「お前は……」
「ん?貴様……BLADEが作り出した新たなヒーローって奴か……お前もついでに消せと指令が入ってる……丁度良いから消しておくか」
「随分とお喋りな奴だ……消えるのはどっちか教えてやる」
「アイツが新たなヒーロー……」
「行け!」
オルタナティブ―クロスセイバーは闇の傀儡をグランドに差し向けた。
グランドが闇の傀儡と戦う。
「そうだ……アイツの力……試してみるか……」
グランドはグレイザーの『ヒーローズソウル』を取り出す。
「アレは?」
グレイザーの『ヒーローズソウル』を『グランドチェンジャー』に装填。
すると……。
グランドチェンジャーにグレイザーのデータが読み込まえる。
《グレイザー·インストール》
電子音声が鳴る。
「ん?」
すると、グランドはグレイザーに『変身』
『グランド·グレイザーフォーム』となった。
「何っ!?アイツ……グレイザーに変わった!?」
オビトも驚く。
「なるほど……力の一部ってそう言う事か……」
グランドは『グレイバスター』を構える。
「喰らえ」
『グレイバスター』から放たれるエネルギー砲で闇の傀儡を蹴散らす。
だが、オルタナティブ―クロスセイバーが攻撃を仕掛けて来る。
「ぐあっ!?」
双剣による攻撃でダメージを受けるグランド。
「フンッ……」
元の姿に戻るグランド。
「クソッ……」
「やべぇ……行くか……」
オビトが前に出る。
「待て!」
「ん?お前は……」
「おい!危ねぇぞ!下がってろ!」
「後輩が必死に戦ってんのに黙って見てられるかって……」
「はぁ?後輩?」
「オルタナティブ―クロスセイバー……お前の狙いは俺だろ!」
オビトは『変身』
クロスセイバー登場。
「えぇ!?」
「ほぉ……お前がクロスセイバーだったか……」
「行くぞ!」
クロスセイバーがオルタナティブ―クロスセイバーに攻撃を仕掛ける。
「ぐっ……」
「おりゃあ!!」
「ぐっ……だが……俺はお前を倒す為に居るんだ……お前より強いのが俺だ……」
「へへっ、どうかな?」
クロスセイバーは怒涛の攻撃を仕掛けオルタナティブ―クロスセイバーを圧倒する。
「ぐっ……馬鹿な!?」
グランドも加勢しオルタナティブ―クロスセイバーを追い詰める。
「ぐっ……そうか……奴は記憶が残ってる……戦いを忘れては無いって事か……流石に分が悪いな……」
オルタナティブ―クロスセイバーは姿を消す。
「へへっ!どんなもんだい!バーカ!」
クロスセイバーは変身を解除。
グランドも変身を解除。
「あんた……記憶が残ってるのか?」
「ん?ああ……改めて俺はオビト。クロスセイバーだ」
オビト(24歳)はかつて世界を魔王軍の侵略から守ったヒーロー、クロスセイバーだ。
優とオビトはポレオに戻った。
「あっ、おかえり優君、丁度良かった。混んで来たから手伝って……」
だが、優は無視してオビトと二階に上がる。
「え〜……また無視……?」
二階に上がった優は……。
「とりあえず座れ。大谷さんを呼んである」
「ああ……悪いな……所でさ……」
「ん?」
「お前先輩に対して言葉遣い悪過ぎないか?」
「悪いな……俺はこうゆう性格なんだ……それに……」
「それに?」
「別にあんたを先輩だなんて思ってない」
「はぁ!?」
しばらくして大谷がポレオに到着。
「あっ、いらっしゃい……」
「どうも、失礼します」
大谷は挨拶もそこそこに二階へ上がる。
「優君……って……」
「このやろ……」
「生意気な奴だ……」
優とオビトはお互いの顔をつねってケンカしていた。
「おっ!?ちょいちょいちょい!何やってるんだお前達!?やめろ!」
大谷が2人を止める。
「だってコイツが!」
お互いに指差して言う……。
「ああ……あのな……そんな事より、オビト君良かった見つかって」
「大谷さん……他の皆は?」
「ああ、それが……ってオビト君私を覚えてるのか?」
「ああ、それが……俺、記憶はあるんですよ」
「そうだったのか……でもどうして!?守君は記憶を無くしてたし恐らく他の皆も……」
「多分……レジェンドヒーローウォーズの時、最後の爆発に巻き込まれた時、ダメージの直撃を免れたんです……他の皆が守ってくれたから」
「どういう事だ?」
オビトはレジェンドヒーローウォーズの時に起こった事を語り始めた。
レジェンドヒーローウォーズ最後の一撃をヒーロー達がスカーの操る要塞ギガントクライシスに放った時、物凄い爆発が起こった。
その爆発の中で……。
衝撃に耐えるクロスセイバー。
「ぐっ……うぅ……」
グレイザーがクロスセイバーの前に立つ。
「クロスセイバー!この爆発で俺達がどうなるか分からない!だから次元を移動出来る君が生き残って俺達の意志を継ぐ戦士を見つけ出すんだ!」
「え?」
「君が繋ぐんだ……正義の火を……!」
そして、グレイザーと他のヒーロー達はクロスセイバーを庇って爆発に巻き込まれて行った。
「そうか……あの爆発の中でそんな事が……」
「でも、俺自身もダメージは受けて……次元移動が出来なくなって……」
「次元移動が出来ない?」
「ああ……ほら……」
そう言ってオビトは破損した『ディメンションブレス』を見せる。
「なるほど……それで次元移動が出来なくてこの世界に留まってたのか……」
「大谷さん、何とか直らないか?」
「ディメンションブレスは我々にとってもまだまだ未知の存在だ……BLADEでは難しいが私がグランスタ王国に持って行ってみよう」
「頼むぜ」
大谷は『ディメンションブレス』を預かりグランスタ王国へ持って行く事に。
「じゃあこっちで何かあったら頼むぞ」
「ああ……こっちの事は心配するな」
「じゃあな……」
大谷は次元移動艇に乗りグランスタ王国へ向かう。
「さて……直ると良いが……」
大谷は『ディメンションブレス』を見つめそう呟く。
その時、船内に強い衝撃が走った。
「うわっ!?」
次元移動艇内に警報音が響き渡る。
「何だ!?」
それはスカー達の攻撃だった。
スカー達の次元移動艇が追って来ていた。
「大谷……ここで死んで貰うぞ……やれ!」
「ヘイ!」
スカーの指示でブラウが更に攻撃をする。
「うわぁぁぁっ……!?」
大谷の次元移動艇は何処かの次元へ飛ばされる。
「ヘヘッ、やったぜ……」
「ヤツの死を確認するまで油断は出来ん……探せ」
「へッ、ヘイ!」
スカー達は大谷の次元移動艇の行方を追う。
続く……。
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