第3話「グレイザー復活」

オルタナティブ―グレイザーの必殺技『グレイバースト』を放つ。

「うわっぁぁぁぁっ!?」

グランドは大ダメージを受ける。


「はっ……!くっ……彼は……僕のせいで……僕のせい……僕の……せいなのか?」

守の脳裏に断片的にグレイザーの記憶が蘇って来る。

「うっ……何だ……今のビジョンは……?アレが……グレイザー?」


「フンッ、邪魔者は消えたな」

「誰が消えたって?」

「何っ!?」

なんと、グランドはピンピンしていた。


「馬鹿な!?あれだけのエネルギー量の攻撃を喰らって……立っていられるだと!?」


「まっ、ちょっとビックリしたけどな……だが、残念だったな……俺は最強なんだ」

「ぐっ……」

「さぁ、次はこっちの番だ」

「クソッ……ここは引くか……」

オルタナティブ―グレイザーは撤退。


「何だ?もう終わりか?大した事ないな……」

グランドは変身を解除。


「優君、大丈夫?」

瑞稀が駆け寄る。

「ああ……」

「守君!」

大谷が守に駆け寄る。

「ううっ……」

守は頭を抱えている。

「おい、どうした?」

「恐らく、守君の記憶に何かイメージを与えたんだろう。守君、一先ず我々と一緒に来てくれ。奴は君を狙っていた」

「は……はい……」


一行は守を連れてポレオに戻る。

帰る頃にはすっかり日が暮れていた。


「お帰り、丁度良かった。混んで来た所だ、手伝って……」

「さぁ、こっちだ」

「2階へ……」

「って、誰?」

大谷と瑞稀が守を2階に連れて行く。


「優君、あれ、誰?」

「……まっ、ちょっとした知り合いだ」

「ああ、そう……あっ、店手伝って!」

優は無視して2階へ行く。

「あっ、ちょっと……」

「すみませーん」

お客から呼ばれる。

「あっ、はい、ただいま〜」


守はベッドに寝かす大谷。

「ちょっ……俺のベッド……」

「別にいいでしょ?ベッドなんてそんなに無いんだから。それにあんたも居候なんだから文句言わない」

「……ったく……」

守はまだ頭痛がするのか頭を抱えている。


「守君、しっかりしろ」

「おい……コイツ大丈夫なのか?」

「記憶の一部を取り戻そうとしてるんだ……今は落ち着くまで待つしかない……」


翌朝ーー

守は落ち着いた様で、眠っていた。

「ん……ん?……ここは……?」

「守君、気が付いたか」

「あなたは……確か……」

「大谷だ。ちょっと待ってろ」

大谷は優と瑞稀を呼びに行く。


「なんだよ……こんな朝から……」

優が目を擦りながら入ってきた。

「やぁ、昨日はありがとう」

「なんだ、目が覚めたのか……んで……何か思い出したか?」

「う〜ん……まだ微妙な所……」

「そうか……」

「守君、君の記憶を完全に取り戻す為に我々と一緒に来て欲しい」

「え?どこに?」

「君が居た世界だ」


優、瑞稀、大谷、守の4人は外に出て行く。

「ちょっとちょっと……これから開店準備だよ!?」

「伯父さんごめん!……ちょっと用事……」

「えぇ〜……」


そして、人気の無い場所へ……。


「で、どうするんだ?」

「優君、グランドチェンジャーには次元を移動する機能が備え付けられている。その力でグレイザーの世界に行くんだ」

「ほぉ……まっ、やってみるか」


優は『グランドチェンジャー』のスイッチを押し操作。

すると次元の扉が開いた。

「よし、行くぞ」

4人はその次元の扉に入って行く。


グレイザーの世界ーー


優達は到着。

「ここがグレイザーの世界……」

「私達の世界と全然変わらないのね……」

「さて、守君の記憶を取り戻すならやはり尋ねる場所は……」


その頃……。


「スカーの兄貴、グレイザー達が元の世界へ移動しましたぜ……」

ブラウが報告。

「そうか……なら、奴の世界で奴の最後を見届けてやろうじゃねぇか……俺達も行くぞ」


大谷達が守を連れてやって来たのは、藤波博士の研究所。

「ここだ」

「何だここ……?」

「藤波……研究所?」

「ここはグレイザーが生まれた場所だ」

「え?」

大谷がチャイムを押す。

「はーい」

扉を開け、出て来たのは……。

美山晴香みやまはるか(30歳)

「!晴香さん……」

「あっ、大谷さん」

そして、守を見つける。

「桐崎君!?どうして!?」

「話せば長くなるんですが……藤波博士は?」

「奥に……どうぞ……」

晴香に案内され、藤波研究所の中に入る一行。


「晴香君、お客さんかい?」

奥から藤波博士が出て来た。

「お久しぶりです。藤波博士」

「大谷君……それに……守君じゃないか!!」

「え?僕をお二人共ご存知なんですか?」

「!!」

「驚かれたでしょう……守君は今、記憶を失ってます……しかし、ここに来れば何か思い出すかも知れない……そう思い連れて来ました」

「そうか……私達に出来る事ならなんでも協力しよう。それで……そちらの二人は?」

「紹介が遅れました。グランドとして戦ってくれている御堂優君と、久野瑞稀さんです」

「初めまして」

「ども」

「ああ……そうか、彼が新たな……」

「はい、我々が開発したグランドの適合者です」


藤波博士がグレイザーの設計図や今までの戦いの資料を見せて守に説明する。


その間、晴香がお茶を出す。

「驚きました。まさか晴香さんがここに居るなんて……」

と大谷が言うと……。

「桐崎君の行方が分からなくなってから、私もNASAに居続けるより、藤波博士のお手伝いをしてた方が守君の事、何か分かるかも知れないと思って日本に帰って来たんです」

「そうだったんですか……」

「NASAってあのNASAですか?」

瑞稀が聞き返す。

「ああ、守君と晴香さんはアメリカのNASAで研究員をしていたんだ」

「凄い……そんなに頭の良い人達なんだ……」

優は窓の外を眺めている。

「御堂さんもこっちに来てお茶どうですか?」

「……ああ……この世界にはもう敵は居ないのか?」

「ええ……桐崎君がグレイザーとして戦って……この世界を救ってくれましたから……」

「そうか……」


だが、スカー達はグレイザーの世界に到着。

「フンッ、グレイザーを探し抹殺して来い、オルタナティブ―グレイザー」

「ああ……」

オルタナティブ―グレイザーがグレイザーを探しに繰り出す。

オルタナティブ―グレイザーは街を、人々を襲い始めた。


「守君、何か思い出したか?」

「いや……うっ……」

また、守の脳裏にイメージが浮かんだ。

「これは……僕の記憶……なのか?」


「ねぇ、外が騒がしいけど……」

「何っ!?」

大谷も窓の外を見る。

「これは……優君、一緒に来てくれ」

「ああ!」

「え?どうしたの?」

「ちょっと世界を救って来る」

優と大谷が出て行く。

その様子を見ている守。

「……」


「何処だグレイザー……出てこい!!」

オルタナティブ―グレイザーはグレイザーを誘き出す為に罪の無い人々を襲っている。


大谷と優が到着。

「アイツ……この世界まで追って来たのか……」

「守君はまだ記憶を取り戻せていない……優君、頼むぞ」

「ああ……」

優は『グランドチェンジャー』で『変身』

超次元戦士グランド登場。


「ん?またお前か……」

「それはこっちのセリフだ……」

グランドがオルタナティブ―グレイザーに攻撃を仕掛ける。

「フンッ、今度こそ、葬ってやる」

「舐めるなよ?俺は強い……」


二人を追って守がやって来た。

「あれは……またアイツか……」


必死に戦うグランドの姿を目撃。

オルタナティブ―グレイザーの攻撃がグランドにダメージを与える。

「ぐっ……」

「フンッ……ん?」

オルタナティブ―グレイザーは守を見つける。

「ほぉ……ターゲットが自ら来てくれるとはな」

そう言ってオルタナティブ―グレイザーは守に迫る。

「何っ!?おい、やめろ!」

「くっ……来るな……来るなー!!」


「守君!!」

大谷が守君に駆け寄る。

「大谷さん……」

「やめろ!!」

グランドがオルタナティブ―グレイザーを捕らえる。

「邪魔を……するな!!」

オルタナティブ―グレイザーから闇のオーラが放たれグランドを引き剥がす。

「うわっ!?」

オルタナティブ―グレイザーはその闇のオーラを纏い『ダークネスフォーム』となった。

「何っ!?姿が変わった!?」

「オラッ!!」

オルタナティブ―グレイザーはグランドを蹴り飛ばす。

「うわっ!?……コイツ……さっきより数段強くなってる……」

パワーアップしたオルタナティブ―グレイザーの攻撃にグランドもダメージを受ける。

「ハハッ……この力……最高だぜぇ……」

「クソッ!」

大谷が銃を構える。

「フンッ!」

だが、一瞬で大谷の銃を蹴り飛ばす。

「なっ……!?」

「死ね……」

オルタナティブ―グレイザーは大谷の首を掴み絞め上げる。

「ぐあっ……」


「大谷さん……やめろ……やめろー!!」

その時、守の脳裏にグレイザーのイメージが浮かんだ。

「グレイザー……そうだ……俺は……グレイザーだ!!」

守はポケットにしまっていた『グレイアクセラー』を取り出し左腕に装着。

「まさか……」

守は『変身』

超戦士グレイザーが復活した。


続く……。

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