グレイザー編
第2話「運命の始まり、失われたヒーロー」
10番目のヒーロー、超次元戦士グランドが誕生した。
優は変身を解除。
「ふぅ〜」
「凄い……これがグランドの力か……」
「おっさん、中々面白かったぜ」
「おっさん!?」
「ちょっと、優君!」
優は左腕から『グランドチェンジャー』を外す。
「返すぜ」
「……いや、それはもう君の物だ」
「え?」
「私はグランドに変身出来る適合者を探していた。そしてそれが君だ。グランドは君なら扱える」
「いや、でも……」
「あの……良く分からないんですけど……順番に説明して貰えません?」
「ああ、そうだよな……ちゃんと説明しないと分からないよな……」
「じゃあ、さっさと買い物して店に戻りましょう」 「え?」
買い物をして店に帰る3人。
大谷も荷物持ちをさせられた……。
「何で私が……」
「いや、お帰り〜遅かったね〜えっ、誰この人?」
「じゃあ、2階で話しましょう」
「え?無視?」
「お邪魔します」
「え?ああ、はい……どうぞ……」
3人を見送って首を傾げる裕二郎。
「瑞稀の彼氏って感じでは無いよな〜?年上過ぎだし……」
ポレオの2階は裕二郎の家であり、優や瑞稀の居住スペースになっている。
2人は大谷をリビングに案内する。
「で、何がどうなってるんですか?」
瑞稀が単刀直入に尋ねる。
大谷は説明を始める。
「君達はレジェンドヒーローウォーズを知ってるか?」
「レジェンドヒーローウォーズ?それって確か少し前にニュースになってた……」
「ああ、あの戦いで今まで様々な次元で戦っていたヒーロー達が集結し、ある組織と戦闘を繰り広げた。その戦いの最終局面でヒーロー達と組織のメンバーが壮絶な攻撃を放った。それは巨大なクレーターが出来、まるで隕石が落ちたかのようだった……」
「その戦いにあんたも居たのか?」
「ああ……と言っても少し離れた所で見ていただけだがな……」
「じゃあ、ニュースで言ってた大爆発が起きてクレーターが出来たって言うのは……」
「ヒーロー達と敵組織の強大なエネルギー同士がぶつかり合って出来た物だ……だが、その戦いでヒーロー達は行方不明になってしまった……」
「えっ……!?」
「そこで我々BLADEは奴らと戦いこの世界を……いや、全ての平行世界を守れる新たなヒーローが必要だと考えグランドのシステムを開発した」
「なるほど……それがさっきのやつか」
「ああ、優君……だったか?君ならグランドの力を使いこなせる。頼む、奴らと戦いヒーロー達を見つけ出す手伝いをしてくれ」
優は少し考え席を立つ……。
「優君……」
「まっ、やってみるか……」
「本当か!」
「ああ、退屈しのぎにちょうど良さそうだ」
「退屈しのぎって……もう少し真面目に考えるなさいよ!」
「よし、なら早速行方不明のヒーローを探しに行こう!」
そして、大谷に連れ出されヒーロー探しに出る優と瑞稀。
そこへ裕二郎がコーヒーを持って来る。
「あれ?どっか行くの?今丁度コーヒーを……」
「すみません、急を要するのでこれで……」
大谷が2人を連れて行く。
「え?ちょっと……せっかく淹れたのに……あっ、夜の店どうするの!?」
「おじさんごめん!お願い!」
「お願いって……一人で!?」
行方不明のヒーローを探す為に一先ず街に繰り出した優達。
「それで、ヒーローなんてそう簡単に見つかるのか?」
「まぁ、我々もこの世界に捜査員を派遣してずっと探してたからな。一人のヒーローを見つけた捜査員からの情報で、この大学に居ると言う情報があった」
そう言って大谷が優達を連れて来たのは……。
「城北……大学……」
そう、ここは当時大学生だった超戦士グレイザー=
「ここで桐崎守と言う男が研究員をしている。彼に接触するぞ」
「分かった」
そして、受け付けで桐崎守を探す。
「桐崎……守さんですね」
「ええ、アポは取っていないが、急用でな。彼に会いたい」
「え〜っと……桐崎守さんは宇宙工学研究部ですね」
「ありがとうございます」
そして、宇宙工学研究部へ向かう一行。
宇宙工学研究部ーー
「だから、このパーツをもっと軽量の物に変えれば、ロケットの推進力は上がると思うんだ」
「なるほど〜……でも、素材を何にするかが課題だな〜」
2人の男が話し合っている。
そこに研究室の扉をノックする音が……。
「はい、どうぞー」
優、大谷、瑞稀が入ってくる。
「失礼します……守君……」
そこに居たのは確かに桐崎守だった。
桐崎守(30歳)
「僕……ですか?」
「ああ、守君、俺だ。大谷だ」
「え〜っと……どちら様でしたか?すみません、多分初めましてだと思うんですけど……」
「え?……覚えていないのか?BLADEの大谷だ!」
「すみません……分からないですね……」
「そんな……一緒に何度も戦ったじゃないか!今はグレイザーとして何度も世界を救って来た!それも忘れたのか?」
「……何を……言ってるんです?」
「……そうだ!グレイアクセラーだ!グレイアクセラーを持ってるだろう?」
「なんです?それ?」
「そんな……グレイザーに変身する為のアイテムだぞ!?肌身はなさず持ってただろう?」
「あの……何言ってるか分からないんですけど……もう良いですか?研究に忙しいんで」
「そ……そうか……たが、また来るよ……」
大谷は出て行く。
「ちょっと、大谷さん!?」
瑞稀が大谷を追い掛ける。
「君は行かないのかい?」
守が優に話し掛ける。
「あんた……本当に覚えて無いのか?」
「さっぱり……何を言ってるのか……あの人、頭でも打ったんじゃないか?なんなら病院紹介しようか?」
「ふざけんな!!」
優が守に掴み掛かる。
守は反射的に優の手を振り解きカウンターパンチ。
「うっ……」
優は倒れ込む。
「なんだ……なんでこんな事が……?あっ、ごめん」
守は優に手を差し出す。
「くっ……記憶を失っても……戦士の勘までは失っていないと言う事か……また来る」
優も研究室を出て行く。
「あっ……本当ごめん……」
研究室を出た優は大谷達と合流。
「おう、遅かったな。どうした?」
「一発食らったよ……アイツ……戦士としての勘までは忘れてなさそうだぜ?」
「え?……そ、そうか……」
「これからどうするんです?」
「彼がグレイザーとしての記憶を取り戻すまで通い詰めるしかないかもな……」
だが、優達以外にも守を探す者がいた。
「こんな所に居たのか……桐崎守……お前を消せと組織の命令だ……死んで貰うぞ……」
この男はそう言うと『変身』
漆黒のダークヒーロー、オルタナティブ―グレイザーに変身した。
そして、守の研究室を襲撃。
「うわっ!?」
「な、なんだ!?」
もう1人の同僚が腰を抜かす。
「大丈夫か?」
「あ……ああ……」
「何なんだ……お前は……?」
「グレイザー……お前を消せと言われてるんだ……大人しく消えて貰おう」
「グレイザー?さっきの人もそんな事を……一体なんなんだ……?」
「死ねー!」
オルタナティブ―グレイザーが守に襲い掛かる。
「うわっー!?」
守は必死に逃げる。
この騒ぎで城北大学のキャンパスは大パニックに陥った。
「なんだ!?どうした!?」
守が粗とに逃げ出して来る。
「うわっ!?」
「アイツ……大丈夫か?」
優が駆け寄る。
だが、そこにオルタナティブ―グレイザーが……。
「なんだ……アイツ……」
「アレは……黒い……グレイザー……?」
「危ない!!」
優がオルタナティブ―グレイザーに飛び蹴り。
「ぐあっ!?」
「大丈夫か?」
優が守を立ち上がらせる。
「君はさっきの……」
「どうやら奴の狙いはあんたみたいだな……ここは任せろ」
「え?」
優は前に出る。
「おい……俺が遊び相手になってやる」
「はぁ?なんだ貴様は?」
「君……どうする気だ?」
守が尋ねる。
「ちょっと世界を救って来る」
優は『グランドチェンジャー』をスイッチを入れ『変身』
超次元戦士グランド登場。
目の前で変身したヒーローに守は驚く。
「えっ……これは……」
「行くぞ……」
グランドがオルタナティブ―グレイザーに戦いを挑む。
「フンッ、俺に勝てるのか?」
グランドとオルタナティブ―グレイザーが戦闘を繰り広げる。
その戦いを見守る謎の傍観者……。
「アレがグランドか……そして、記憶を失いしヒーローグレイザー……果たして運命はどう転ぶかな?」
オルタナティブ―グレイザーの攻撃で、グランドがダメージを受ける。
「ぐあっ!?」
「優君!?」
「フンッ……終わりだ……」
オルタナティブ―グレイザーは『グレイバスター』を構える。
「あの武器は!?まずい!グランド!逃げろ!!」
「喰らえ……」
オルタナティブ―グレイザーの必殺技『グレイバースト』を放つ。
「くっ……うわっぁぁぁっ!?」
続く……。
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