超次元戦士グランド
山ピー
伝説の幕開け
第1話「10番目のヒーロー」
かつてそれぞれの世界で平和の為に戦って来た9人のヒーロー達。
グレイザー、ドライガー、エクスカイザー、星影、クロスセイバー、ビート、ジェットホーク、パラディオン、ダークウルフ。
レジェンドヒーローウォーズと呼ばれスカー率いる組織との激闘の末、その力とヒーローであった記憶を失くしてしまった彼ら。
そんな彼らをヒーローとして目覚めさせる為、10番目のヒーローが誕生しようとしていた。
BLADE本部基地ーー
BLADEの隊長、大谷とその部下佐藤が研究室に来ていた。
「ようやく完成したか……」
「ええ、後は適合者を見つけるだけです」
「その適合者の捜索状況はどうなっている?」
「正直……難航しています」
「早く適合者を見つけなくては……そろそろ組織も動き出す頃だろ……」
「ですね……10番目のヒーロー……一体どんな人物になるのでしょう」
とある世界ーー
ここはかつてグレイザー達ジャスティフォースが最後の戦いを繰り広げたレジェンドヒーローウォーズが行われた世界である。
喫茶店ポレオーー
店内は賑わっていた。
「ご注文は?」
このダルそうに接客をしているのが
しかし、客の年配の女性達はお喋りに夢中で優の話を聞いていない。
「チッ……いつまでくっちゃべってんだよババア……」
小声で呟くが……。
「何ぃ!?ちょっとあんた!今何て言った!?クソババアつった!?」
「いや、クソババアは言ってねぇし」
「な〜によ態度の悪い子ね!ちょっと!この店の教育どうなってんの!?」
「そーよそーよ!!」
奥から店主の
「大変申し訳ございませんお客様、どうされました?」
「あんた責任者?」
「はい、店長の西岡と申します」
「この店の教育どうなってんのよ?この子態度は悪いしダルそうに接客するし」
「大変申し訳ございません。彼には後からキツく言っておきますので……」
そこに帰って来たのは
「ちょっと……どうしたの?」
「ああ、いや……優君が……」
「あんたまたお客さん怒らせたの??」
瑞稀が優の耳を引っ張る。
「いででででっ……」
「大変申し訳ございません!!ほらあんたも謝りなさい!!」
瑞稀は優の頭を押さえ付け無理矢理頭を下げさせる。
「あっ……ちょ……分かったから……やめろ……」
「本当に申し訳ございません!!」
「まっ、まぁ分かればいいのよ。注文ね、アイスコーヒー4つ」
「はい、かしこまりました」
「おじさん後お願い」
「え?」
瑞稀はそのまま優を奥に連行する。
「いででででっ……」
「まったく!何でいつもそんなに態度悪いのよ!あんたのせいでウチの店の評判が悪くなるでしょ!!」
「いやだって……注文も聞かねぇでずっと喋ってんだぜ!?」
「それでも丁寧にもう一度聞く!これ接客の常識よ!」
「はいはい……分かったって……」
瑞稀はまた優の耳を引っ張る。
「いででででっ……」
「あんたは何百回言われれば分かるのよ!!」
「分かった……分かったから昭和の怒り方やめて……」
「まったく……今度から本当に気を付けてよね?」
瑞稀は戻って行く。
「ったく……」
店に戻った瑞稀。
「おじさんありがと。着替えたら手伝うね」
「うん……瑞稀、優君は?」
「ばっちり注意しておいた」
「あんまりやり過ぎるなよ?」
「何言ってんの!おじさんが甘すぎるの!」
そう言って瑞稀は上に上がって行く。
「あの性格じゃしばらく彼氏は出来ないな……」
「余計なお世話です!」
「あっ……すいません……」
優が戻って来た。
「あ〜……いてぇ……」
「優君、また瑞稀にやられた?」
「まぁ……ったくあの暴力女め……」
「フフッ……でもね優君、君はウチに居る以上ウチの従業員なんだ。お客さんは大切にして欲しいな……優君はただ人との接し方が苦手なだけじゃないのかな?」
「え?」
「君がウチに来てから半年位か?それまで何してたかは知らないけど、人は1人じゃ生きて行けない。周りに居る人達と仲良くしておくのも大事な事だよ?」
「はぁ」
その後、夜の仕込みの為に優と瑞稀は買い出しに……。
「まったく……おじさん何で優君と一緒に行かせるかな……」
「それはこっちのセリフだ……」
「ええ!?」
「あっ……いや……今日は辞めとく」
「何よ?いつも生意気な口聞くクセに今日は静かじゃない?」
「生意気はお前だろ?俺の方が年上だっつうの」
「それにしては常識がなさすぎるけどねぇ〜」
「……俺はポレオに来るまで自分がどうしてたのか分からない……裕二郎さんに言われたよ。人との接し方苦手なんじゃないかってな……」
「へぇ〜少しは考えたんだ」
その頃……。
スカーとブラウは遂に動き出そうとしていた。
「ヒーロー共との戦いの傷も癒えた……そろそろ始めるか……世界侵攻を……」
「スカーのアニキ、完全復活っすね」
「ああ……だが、この世界のどこかにヒーロー共は生きてるはずだ……奴らを見つけ出し抹殺する……その準備も整った」
「しかも奴らはヒーローとしての変身能力を失っている……ぶっ殺すには最大のチャンスって訳ですね」
「ああ……まずはヒーロー共を誘き出すとするか……」
スカーはこれまでに取り込んだ悪魔達の力を使い闇の傀儡を作り出した。
「アニキ!こんな能力が……」
「ああ、悪魔達の力の一部だ。さぁ行け、闇の傀儡達よ……この世界を恐怖と絶望に陥れヒーロー共を誘き出せ」
数十体の闇の傀儡が街に繰り出し暴れ始める。
「きゃーっ!?」
闇の傀儡が暴れ女性が悲鳴を上げた。
「何っ!?」
「ん?」
優と瑞稀の目の前にも闇の傀儡が現れた。
「何よあれ……」
「ヤバそうだな……瑞稀、逃げるぞ!!」
「うん!」
優と瑞稀は逃げる。
しかし、逃げた先からも闇の傀儡が……。
「ちょっと……なんなのよ……コイツら……」
「コノッ!!」
優が闇の傀儡を殴り飛ばす。
しかし、闇の傀儡は直ぐに立ち上がり再び襲い掛かって来る。
「うわっ!?」
だが、そこに大谷が現れ闇の傀儡を銃撃。
「大丈夫か?」
「あんたは?」
「説明は後だ……早く逃げろ!」
しかし、闇の傀儡はどんどん集まって来る。
「クソッ……逃げ道なんかねぇぞ!!」
「くっ……なら私のそばを離れるな……大丈夫……絶対になんとかしてやる」
大谷は2人を守りながら必死に闇の傀儡と戦うが……。
闇の傀儡は更に増え大谷1人では対処出来なくなる。
「くっ……ぐあっ!?」
闇の傀儡の攻撃を受け大谷はダメージを受ける。
「こうなったら……使ってみるしかないか……」
大谷はアタッシュケースの中から『グランドチェンジャー』を取り出す。
「なんだそれ!?」
「これなら奴らに対抗出来るはずだ……」
「そんなのあるならさっさと使えよ!」
「いや……コイツは俺に扱えるかどうか分からんのだ……だが、やるしかない!」
大谷は『グランドチェンジャー』を左腕に装着。
『変身』
しかし、『グランドチェンジャー』は大谷を拒絶し、変身は失敗。
「ぐっ……ダメか……」
『グランドチェンジャー』が優の足元に転がる。
「……」
優は『グランドチェンジャー』を拾い上げる。
「……よし……」
「よせ……それは適合者でなくては使えん……」
「俺がその適合者かも知れねぇだろ?」
「え?」
優は『グランドチェンジャー』を左腕に装着する。
『変身』
優は超次元戦士グランドに変身を遂げた。
「……まさか……君が適合者……」
「ふ〜ん……悪くないな……」
グランドが闇の傀儡に近付く。
「ちょっと……優君?」
「ちょっと世界を救って来る」
グランドは闇の傀儡達と戦い始めた。
「はっー!!」
優が扱うグランドの力は本物で次々に闇の傀儡達をなぎ倒して行く。
「凄い……」
「当然だ……アレは俺が今まで出会ったヒーロー達の代わりに戦える様に基本スペックは高い!」
グランドが戦う様子を見ているスカーとブラウ。
「何っ!?アレは!?新しいヒーロー!?」
「チッ……BLADEも厄介な物を作っていたもんだな……」
「はっ!!」
グランドは闇の傀儡を蹴散らす。
グランドは専用の武器、『グランドブラスター』と『グランドソード』を駆使して戦う。
「君!その2つの武器を合体させて必殺技を放つんだ!」
大谷がアドバイスを送る。
「ほぉ……面白そうだ」
グランドは2つの武器を合体させ『グランドバスター』
を完成させる。
「消えな」
必殺技『グランドファイナルバスター』を放つ。
闇の傀儡達は消滅。
「チッ……また厄介な敵が増えましたね……」
「仕方ねぇ……ひとまずズラかるぞ……」
「へ、ヘイ……」
スカーとブラウは去って行く。
グランドの最初の戦いは終わった。
続く……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます