第3話『生活音ASMRを聞かせてくれるドジっ子お姉さん』
すぅ…(お姉さんの寝息の音)
「………むにゃ…」
「…うーん………」
「……大好きだよぉ………」
チュッ…(寝ぼけながらキスする音)
「………」
すぅ…(お姉さんの寝息の音)
「…ハッ!い、いけない…今度のASMRを録音しようとして寝落ちしちゃってたわ…」
「…って嘘!?もうこんな時間!?遅刻しちゃう!」
ガタガタッ!(お姉さんが立ち上がる音)
バァン!(ドアを勢いよく開ける音)
ドタドタドタ…(勢いよく階段を降りる音)
「美~優~!なんで起こしてくれなかったの~!」
『起こしたけど全然反応しなかったのお姉ちゃんじゃん~!どうせまたASMR録ってたんでしょ~?』
「なっ!それは…べ、別に良いでしょ!それよりごはんある!?」
『ちゃんと用意してあるよ~。ってか、早く寝ればいいのに…』
「それとこれとは関係ないのよっ!あーもー!すぐ食べるから!」
『はいはい…』
「…っていうか美優、アンタなんでそんな冷静なのよ!アンタも今日学校でしょ!?」
『だって今日学校休みだもん』
「嘘ぉ!?ぐぅ…!」
『嘘じゃないよーだ、てか早く食べなくていいの?』
「あー!良くない良くない!もー!」
数分後…
「あーやばいやばい…急いで支度して…」
ジャー…(遠くで水が流れる音)
バシャバシャ…(遠くで顔を洗う音)
シャコシャコ…(遠くで歯を磨く音)
バシャッ!(遠くで口を濯ぐ音)
ドタドタドタ…(勢いよく階段を登る音)
ガチャ!(勢いよくドアを開ける音)
「あーやばいやばいほんとやばいって…!」
シュルシュル…パサ(服を脱ぐ音)
シュル…シュル…(服を着替える音)
「忘れ物は…大丈夫…よし!走れば次の電車に間に合う!」
ガチャ!(勢いよくドアを開ける音)
ドタドタドタ…(勢いよく階段を降りる音)
「それじゃあ、お姉ちゃん行ってくるから!」
『いってらっしゃ~い』
ガチャン(玄関の扉が閉まる音)
『…お姉ちゃん、気付かなかったな~。今日休日なのに…』
『…あ、今のうちにお姉ちゃんの部屋掃除しておこっと』
トントントン…(階段を登る音)
ガチャ(扉を開ける音)
『失礼しまーすっと』
『あーもうこんなに散らかして…慌ててたから仕方ないけどさ…』
『…ってあれ?これ…』
トントン(マイクを叩く音)
『録音しっぱなしじゃん…いつから…』
『…あ、良いこと思いついちゃった』
『ふふっ、聞こえますか~?キミが大好きなお姉ちゃんの妹の美優で~す!』
『今日は…お姉ちゃんの生活音のASMRですよ~?』
『この録音は回しっぱなしにしておくから…お姉ちゃんが普段どういう音を出して生活してるかが丸わかり!』
『まあ…お兄ちゃんがお姉ちゃんと一緒に住んだら…毎日聞くことになる音だけど…』
『…あ、ううん!なんでもない!それじゃあ…お楽しみにっ!』
チュッ(妹の投げキッスの音)
『…それじゃ、とりあえずお姉ちゃんの服、畳むから…』
バサッ!パサ…(服を広げて畳む音)
そして数時間後…
ガチャン!(玄関の扉が勢いよく開く音)
「ちょっと美優!?今日祝日じゃない!?なんで言ってくれなかったの!?電車乗ってから気づいたわ…」
『え?だって聞かれなかったし…』
「聞かれなかったって…アンタぁ…!」
『気付かなかったおねーちゃんが悪いでしょ』
「ぐぬぬ…はぁ……なんかどっと疲れた…お姉ちゃんもう一回寝るわね……」
『はーい、おやすみ~』
トン…トン…トン…(ゆっくり階段を登る音)
カチャ…(ゆっくり扉を開ける音)
「はぁ…散々だった…あ、服畳んである…」
「ふわぁ…走ったらどっと疲れたぁ………」
シュルシュル…(服を脱ぐ音)
「眠……」
シュル…(服を脱ぐ音)
パサッ(布団の上に倒れ込む音)
「………むにゃ…」
すひゅ~…(お姉さんの寝息の音)
「んん………」
パサッ(お姉さんが寝返りを打つ音)
トントントン…(階段を登る音)
『ちょっとお姉ちゃんドア開けっぱな…うわぁ、大変なことになってる』
『もー、そんな風に寝てたら風邪引くよー?』
「うーん…後5分……」
『もう…しょうがないなあ…』
バサッ(布団をかける音)
『これでよしっ』
「うーん…美優…いつもありがと……」
『…どういたしまして』
その後数時間お姉さんの睡眠ASMRが続いた後…
「んぁ…」
ボリボリ(起きたお姉さんが頭をかく音)
へぷちっ(お姉さんのくしゃみの音)
「あー…寝すぎたかも………てか布団……美優……」
「今何時………嘘!?もう夕方!?流石に寝すぎた!?」
「…あー…私の完璧な休日プランが……」
「はぁ……まあ良いか……」
「よいしょっと」
バサッ(布団から出る音)
「うわ!?服も脱ぎかけだし…どれだけ疲れてたのかしら私…」
「とりあえず服…着替えて…」
シュルシュル…パサ(服を脱ぐ音)
ゴソゴソ…(服を着る音)
「…まあ…もう外出する予定もないし…これでいいか…」
「あー…………」
「虚無の休日って感じ…」
「…水…」
ゴクッゴクッ(ペットボトルの水を飲む音)
「…っはぁ~~~」
「あ、そういえばマイク…」
「……………えっ」
「嘘!?なんで録音されてるの!?え!?いつから!?」
ガチャ(ドアが開く音)
『あ、お姉ちゃんおはよ~』
「おはようじゃないわよ!ねえ美優大変なの!マイクが録音したままで…」
『あ、気付いた?』
「あ、気付いた?じゃないわよ!?あー………恥ずかしい音とかメチャクチャ入ってる…これは流石に消さないと…」
『えー、お兄ちゃんも気にいると思うのになー、生活音ASMR』
「えーじゃないわよ!恥ずかしすぎるわよ!」
『それに多分それ朝から録音しっぱなしだよ?ってかお姉ちゃんがつけっぱなしで値落ちしたんじゃないの?』
「う…そ、それは…」
『それに…将来お兄ちゃんと一緒に住むならそういう音だって聞かせるわけでしょ~?だったら別にいいじゃん~』
「えぇ!?い、一緒に住むなんて…それは…うーん…その…でも…」
『ほらほら~、この前のASMRだって気に入ってくれたんだからさ!』
「う、うーん…?そう…そういうものかしら…?でもこれは流石に恥ず…」
『お兄ちゃんの事が好きなんでしょ!ならこれぐらい大丈夫大丈夫!お兄ちゃんだってお姉ちゃんの事が好きなんだからさ~、多分…』
「へぁ!?え!?そ、そう…なの?」
『え?あ、うん、多分』
「う、うーん…な、なら…?」
『うんうん、なら大丈夫だね!』
「うーん………そう…かな…そうかも…?」
「…と!とにかく!今回のASMRはここまで!あ!一緒に住むとかそういうのは…その…」
「ま、また別の機会にね!?それじゃあまたね!」
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