ポーカーと感情
〜翌日〜
俺達は作戦会議をするため議会室にいる
「おいまじでどうすんだ零?俺あいつの心が全く読めなくて勝てる気がしねえんだけど?」
「それは僕もだよ、それにゲームはあっちが考えるしね」
零が目を押さえながら言う
「それはお前のせいだろうが」
俺は零に突っ込む
「まあでもゲーム次第では詰みだな」
「そんなー2人でもどうにかならないなんて終わりっすよ」
緋呂斗が頭を抱える
「とりあえず対策として、俺達にできることはあいつがゲームをプレイしているところを見るしかねえみたいだな」
そう言って俺は議会室にあるプロジェクターを起動させる
「まずあいつの仲間は誰一人ゲームをしたことがないつまりだ木崎のワンマンチームだと考えていいだろう」
「だが想定外だったのは木崎があまりにも脅威すぎるってことだ」
「それには僕も同感だねあいつからはなにも感じ取ることができなかった」
零が悔しそうな顔をする
「え、あなた達何も感じなかったの?」
俺達が悩んでいると感菜だけキョトンとした顔をしている
「え?感菜には分かったの?木崎の考えが」
零が疑問そうに聞く
「ええ
感情?こいつもしかして
「お前もしかして感情がわかる心力か?」
俺が問い詰めるように聞くと
「ええ私の心力名は
おいおいまじかこれは木崎に特効だぞ、もしかしたらこれなら
「勝てるかもしれねえ木崎に」
「ああそうだねいっしー」
零が笑いながら言う
「それじゃあ作戦は感菜を中心としたもので行くぞ!!」
そうして俺達は2時間掛けて作戦を考えた
〜代表戦当日〜
「みんな盛り上がってるかー!!!」
歓声と拍手が飛び交う
「それじゃあ今日のゲームの説明だー」
「今日のゲームは木崎くんが考えたこれだ!!」
〜ダブルポーカー〜
・2対2でポーカーをする
・心力使用OK
・両方のチームが1勝ずつしてしまった場合、引き分けとして代表者を選び2対2になります
・合計で2ゲーム勝った方の勝ち
・勝負するかしないかはチームで決めることができる
・相手が勝負しない場合それは勝ちにはならない
「おいお前ら理解できたかー!!!」
ウオオオオオオオオオ
「なんか実況の人前よりテンション上がってね?」
俺達は今控室でテレビを通して会場を見ている
「だがなるほどなポーカーは相手にとって最高のゲームだな」
「そうだね僕たちはポーカーだと詰みかもしれないね」
零が顎に手を当てながら言う
「そうっすね」
緋呂斗も頷く
「え、どういうことよ」
感菜がキョトンとした顔で聞いてきた
「え、お前分かってねぇのか」
「良いかわかりやすく教えてやるぞ、ポーカーは心力を使ってOKなら完全なる心理戦だ」
「つまり俺等はあいつの心が全く読めない
「そういうことね、だから私が特攻ってわけね」
「あいつの心を読めるのはお前くらいだからな」
俺は感菜に指を指す
「あ、もうそろそろ入場の時間ぽいっすよ」
緋呂斗がテレビを見ながら言う
「それじゃあぼちぼち行くか」
「お前ら選手の入場だぜー!!テンション上げてけー!!!!」
「まずはチーム零の入場だ!!」
「うひー人多いな」
俺は少しビビる
「そうして対するはチーム木崎だー!!」
「やあ君たちしっかり作戦を考えてきたようだね、自信に満ち溢れた顔をしている」
やっぱり俺こいつ嫌いだわ、だって今こいつ感情がねぇみたいになんにも感じない
「それで2対2で戦うわけだけど誰が僕と戦うの?」
零が木崎に言う
「それの事なんだけど君たちが決めて良いよ」
まじか、ラッキーこれならリスクなく感菜と木崎をぶつけられる
「じゃあこっちは俺と感菜対木崎ともう1人、あとはその他でオッケーだ」
木崎を指さして言う
「じゃあ木崎ゲームを始めようか」
〜10分後〜
俺達は2対2でバトルするために零たちと別会場にきた
そこには丸いテーブルとトランプそしてコロシアムに流されるためのカメラがあった
「これでコロシアムに映像を送るわけか」
そうして俺を含めて4人はテーブルに座りポーカーをする準備をする
「シャッフルは俺がするぞ木崎?」
俺が木崎に問うと
「良いよもちろん」
こいつ笑ってるのに心が笑ってねえ見てぇだ
「こういうときは」
俺は感菜に小さい声で聞く
「おい感菜あいつの感情が読めたか」
「ええ今は喜びの黄色ね」
なるほどね今はまだ大丈夫ってことか
「それじゃあそろそろ始めようか」
「ああそうだな」
俺はトランプをしっかりシャッフルしそれぞれに2枚配る
ポーカーとは自分の手札と山札から役を作り、役の位で戦うカードゲーム
運要素が強いが同時に心理戦にもなりやすいカードゲームだ
そして本来のポーカーなら金を使ってやるゲームだが今回は特別仕様として合計で3ゲーム勝った方の勝ちとなっている
〜第2ゲーム〜
第1ゲームは俺の手札が良かったおかげで難なく勝利することができたが、今回は俺の手札が弱すぎる
「これはやばいな」
俺の手札には数字の2と数字の3と書かれているカードがあった
感菜の方を見ると手でサインを出してきた
’’10のワンペア’’
結構強いなあとは木崎の手札次第だが
山札から5枚のカードが出される
俺は役なしだが感菜は山札から出てきたカードで10のスリーカードになった
俺は感菜に合図を送る
’’木崎の色は何色だ’’
人というのは意識してても感情までは隠せないものだ
’’焦りのオレンジよ’’
それなら木崎は手札が悪いのかもしれないな
ここで俺は木崎を少し揺さぶってみることにした
「木崎お前役が悪いんじゃねえか?」
「志向くん揺さぶりのつもりかい?それなら君も気をつけたほうが良い、君手札悪いんだろう?」
やっぱりかこいつコールド・リーディングを使って俺の心情を完璧に把握してやがる
’’どうだ色が変わったか?’’
’’いいえ変わらずオレンジよ’’
だが焦っているなら手札が悪いってことを教えているようなもんだぜ木崎よお
問題はどうやってあいつを勝負に乗せるかだが
俺がそう考えていると木崎が言った
「僕は勝負するよ」
おいどういうことだ
俺は感菜の方を見る
’’いえ何も変わってないわさっきと同じ色のまんまよ’’
どうなってやがるんだこれは
’’いやここは勝負をしてみよう’’
俺は合図を送る
そうしてカードがオープンされると
「まじかよ、、、、これは思っていたよりやばいかもな、、、」
俺の頬を汗がつたう
木崎の役はフルハウス俺達の負けだ
いまので分かったこいつただのブラフじゃねえ
心力を使ってブラフしてやがる
じゃないと自分の感情まで変えることなんてできねえ
だがどうする心力で感情まで変えられたら心を読むこともできねえ
こうなったらカードの役をあいつより確定で強くするしかねえ
「やるしかねえか、、、」
〜第3ゲーム〜
俺はさっき思いついたことを感菜に伝える
’’ちょっと正気?できるわけないでしょ’’
”いやでもやるしかねえ’’
’’分かったわよ”
そうして作戦を開始する
この作戦を成功させるためにはあいつの心力を暴かないと
まあでもあいつの心力は感情を変えるとかそんな感じなんだろう
なーんて考えてるんだろう?志向くん
僕は
心力名は
志向くんは僕が感情を変えてると思われてるけど本当は君の感情を共有しているだけなんだ
だからが僕がずっと焦ってるように見えるし感情が見えないようにもできるってわけだ
そして僕は共有された感情から相手の考えていることまである程度わかる
今回は志向くんの焦りのような感情、なるほどね何かしようとしているんだ
まあこんなに焦ってるんだ作戦と言っても大したことはできないだろう
今回の手札はエースのワンペアか余程のことがない限り負けないな
そうして山札が明かされる
フルハウス!!これはほぼ勝ちだな
さてとあとは志向くんをどうやって乗せるかだが
「なあ木崎、勝負してみねえか?」
おおこれはラッキーだ、カモがネギを背負ってきたぞ
「良いよ志向くん勝負をしようか」
フフこれで俺の勝ちはほぼ確定した
「それじゃあオープンと行こうか」
俺の勝ちまで3,2,1,
「残念だったね志向くん僕はフルハウスだ!!」
「木崎残念なのはお前だ、もっとちゃんと相手をよく見る必要があったな」
「ありがとな賭けは俺の勝ちだ‼」
そこにはきれいに並んだロイヤルストレートフラッシュがあった
「は?は?は?どういうことだ!!!貴様何をした!!!」
〜第3ゲーム始め〜
俺が考えた作戦はこうだ
まずあいつの心力は多分俺と感情を共有している
それは第2ゲームで分かった
いくら感情を変えると言っても体の仕草に出ないのはおかしいからな
それにさっきからずっと俺の感情を鏡のように写しているみたいだった
そのことから俺は共有されていることを前提に作戦を立てることにした
まず俺はシャッフルで俺の手札がロイヤルストレートフラッシュなるようにするのと
木崎の手札がフルハウスになるようにする
それに加えて俺の感情を心力で共有しわざと焦っているように見せることで確定で勝てると思わせる
だがこの作戦は俺が感づいているとバレたら一瞬で降りられておしまいだ
だから感菜に俺の感情が木崎に共有されていることを心力で確認してもらう
そして俺が挑発することで木崎を勝負に乗らせロイヤルストレートフラッシュで勝つ
「とまあこんな感じだ理解できたか木崎?」
「何だ、、と僕はずっとお前の手のひらの上で踊らされていたというわけか?」
「まあそんな感じだ」
「だがお前は完全に焦っていたはずだ、作戦を考えていたならば焦る必要はないはずだろ」
「俺がいつ焦ったんだよ俺はずっとお前に怒ってたんだ」
そう言って俺は血だらけの左手を見せる
「まさかお前はわざわざ俺に焦っていると勘違いさせるために自分の手に怪我を負ったというのか?」
「ああそうだ、焦っている感情と怒っている感情は似ているからな」
「ハハ僕の根性負けだね、君の勝ちだ」
「さてとこっちは勝ったわけだが零たちはどうな、、、えー」
零たちはたった2ゲームで勝っていたしかもどっちもロイヤルストレートフラッシュでだ
「まじかよやっぱ零は規格外だな」
急に音が鳴り響く
「ここで決着ーーーー!!!」
「チーム零まずは白星ーーー!!」
実況者らしきやつが話し出す
俺達は零たちと合流したあと俺は医務室に、他の3人は寮に帰っていった
「痛ッやっぱ怪我すんのやめときゃよかった」
俺は今、医務室で機械に治してもらってる
この学園では医療機関も一流ですべて機械などで管理されている
「やっぱこの学園金持ってるな」
俺の手は機械によって治療され包帯でぐるぐる巻きにされていた
「ちょっとこれやりすぎじゃねえの?俺ただの切り傷なんだけど」
「いいえやり過ぎではありません真っ当な治療です」
AIがそう反応する
「これのどこが真っ当なんだよ!!ドアノブ握れないんだけど!!」
俺の手は握れないほど固く固定されていた
「まあ良いやこれってお金かかったりするの?」
「いいえお金はかかりませんどうぞお帰りください」
「ああそうさせてもらうぜ!!もう二度とこねえからな!!」
俺は包帯の中で中指を立てながら出ていく
俺は医務室から出たあと寮に帰った
寮では零たちが待っていて一緒によるご飯を食ったあとそれぞれが眠りについた
〜翌日〜
外は雨が降っている
俺達は前と同じように準決勝のための作戦会議をするため議会室にいる
「次の対戦相手が発表されたぞ」
俺はみんなに言う
「それでそれで相手は誰なの?」
零が楽しそうに聞いてくる
「今度の対戦相手は
「やばいってどんなふうにすか?」
「言葉のとおりだ緋呂斗、こいつらは勝つためなら何でもやるそうなんでもだ」
「例えば、対戦相手を脅迫して勝ちをもぎ取ったり、対戦相手を怪我させてゲームに勝ったりと色々だ」
「そいつ等おもんないね」
零が若干キレ気味で言う
他の2人も怒りの感情があらわになっている
「だから俺等がやるべきことは試合開始までそいつ等と関わらないこと、これが俺等の取るべき今の最善の行動だ」
「そうすれば脅迫されることはないし怪我も負うことはない、準備万端で勝負に挑めるってことだ」
「まあそうするしかないだろうね」
他の2人も頷く
その時不意にピロンッと音がなった
「あすいません俺っす」
そう言って緋呂斗は自分のスマホを取り確認すると動かなくなった
「おい緋呂斗どうした?」
俺がそう聞くと
緋呂斗は急に走り出す
「おい緋呂斗!!どうした待て!!」
そう言って俺等は雨の中、緋呂斗を追うために走り出す
「緋呂斗どうしたんだ!!何かあったのか!!」
問いかけても返事をしない
そうして5分くらい走り俺達はいつの間にか学校に来ていた
「ここは学校?何でここに?」
俺達は緋呂斗の後をつけていると体育館の中に入るのが見えた
俺達も中に入るとそこには生徒が2人倒れており一緒に緋呂斗もいた
「何だ、、、、これ?生徒がぶっ倒れてる?」
雨がどんどん強くなる
俺達は緋呂斗に話しかけようとしたが、そのあまりの殺意に話しかけることができなかった
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