PositionGame

色彩感菜と代表戦

「ゲームを始める前に自己紹介をしようか?俺は石田志向だよろしく」


「色彩感菜ですわ」


「可愛い名前なんだな」


「よしじゃあ自己紹介のお礼として、あんたがゲームを指定していいぜ」


「これ以上私を舐めすぎないことを忠告しときますわ」


俺があまりにも煽るから少し切れているようだ


「ゲームはポーカー1回勝負にしましょう」


ポーカーか


「シャフルは私がします」


「どうぞどうぞハンデとして僕は心力も使わないからね」


俺は挑発する


「私舐めるのもいい加減にしましてよ?」


かかった


「じゃあ俺を倒してみろよ?」


「行きますわよ」


シャッフルが始まり手札が配られる


「は〜まじか」


「おや手札が悪いようですね?今なら変える権利を与えますわよ」


「いや大丈夫だ勝てるから」


「舐めやがってこの金魚の糞ごときが」


「おいおいお嬢様口が悪いでございますよ」


「うっさいですわカードをオープンですわよ」


「じゃあ行くぞオープン」


「残念ですわねフルハウスですわ、これで今日からあなたは私の犬ですわね〜」


お嬢様が勝ちを確信しているようだ


「ああ残念だ、俺の勝ちだな」


俺がカードをめくる


するとお嬢様が度肝を抜かれた声で言う


「ロ、ロ、ロイヤルストレートフラッシュぅぅぅぅ」


「い、イカサマよこんなのありえないわ!」


「いや運だが?それよりイカサマはあんたの方だろ」


「あんたはシャッフルをする際にフルハウスになるよう自分の手札を細工してやがったな?」


「つまりだあんたはイカサマをしても勝てないクソ雑魚お嬢様ってことだ」


「分かったなら俺達に、謝れ見下してごめんなさいってな?」


するとお嬢様は俺に謝るのは気に食わないのか自分の中で葛藤しているようだ


「ご、ご、ご、覚えてろですわ〜」


泣きながらどっか行ってしまった


「あ〜あ女の子のこと泣かせちゃったい〜けないんだいけないんだ」


零が俺を煽るように行ってくる


「い、いやしょうがないだろ」


「な、緋呂斗お前もそう思うよな」


俺は緋呂斗に助けを求める


「いや〜俺もムカつきはしたっすけど、泣かせるのはちょっとどうかと思います」


「えーそんなお前はこっち側だろうよ」


「それよりひどいのはいっしー、イカサマしたでしょ」


俺を指さしながら言う


「あ、バレた?いやーこれに気づいたら俺も十分面白かったんだけど」


そう言って俺はポケットからトランプをだす


「え?どうやったんすか?」


緋呂斗が教えてくれと言わんばかりに聞いてくる


「ええとまず相手がシャッフルをしている時に、カードの位置を記憶する」


「そうすれば自分が配られたときに相手の目線をずらすだけでほらこの通り、ロイヤルストレートフラッシュだ」


そう言って実践して見せる


「えー志向さん最低っすね、明日ちゃんと謝った方が良いすよ」


「辛辣すぎない?まあでもそうするよ」


「絶対そのほうが良いよどうせチームになるしかないんだから」


「へいへい」


そう言ってそれぞれ自分達の部屋に帰り明日に備えた


〜翌日〜


「申し訳ございません!!」


俺は朝一番にお嬢様にスライディング土下座をしている


とても不機嫌な顔でお嬢様が俺を見つめる


そりゃあそうだイカサマをした挙げ句にボロクソに言ったんだからな


「誠に申し訳ございません、どうか僕たちとチームを組んではいただけませんか」


「はー良いわチームメイトになってあげるその代わりあなたは一生私の荷物持ちね」


「はいお嬢様何なりとお申し付けください」


言ってなかったが俺は相手の機嫌を取るのが死ぬほどうまいのだ


「フッちょろ」


影で笑う


「なにか言いましたか?」


ヘビのような目で睨みつけてくる


「いえ何も」


「お〜どうやらちゃんと仲直りできたみたいだね?」


起きてきた零が俺に言う


「もちろんだよ零、バッチリさ」


「零さんあれ仲直りなんすかね?」


緋呂斗が心配そうに俺を見つめる


「とりあえずこのチームで代表戦出るってことでいい?」


「ああそれは良いがなんかチーム名とかは決めなくて良いのか?」


首を傾げながら言う


「そのことなんだけどみんなに1時間あげるから名前考えてきてくれない?」


零が申し訳無さそうに言う


「了解」


〜30分後〜


俺は今ものすごく悩んでいる


「クソこんなことに30分悩むなんて」


「何で悩んでんすか?」


「ああ緋呂斗俺はボケ担当か真面目担当どっちだと思う?」


「何で悩んでんすか、、、」


緋呂斗が呆れた声で言う


「よし決めた!俺はボケで行くぜ」


自信満々に声を上げる


「もうどっちでも良いっす、、、最近こういうのばっかっす、、、、」


緋呂斗泣きながら言う


〜30分後~


「はいじゃあみんな集まったね」


「それじゃあ誰から発表する?」


手を叩いて零が仕切る


「じゃあ俺から行かせてもらうぜ!」


お笑いとは最初が肝心だ、爆笑展開でチームの雰囲気を和ませてやる


「その名も色彩感菜と愉快な奴隷たちでどうだ!」


「気持ち悪いですわ」


「そこまでボケに走らなくても良かったんじゃないすか、、、」


「大丈夫いっしーがおかしいのは元からだから」


その場の空気が氷河期のようになってしまった


「3人共辛辣過ぎないですか?俺泣いちゃいますよ?」


泣く真似をする


「泣けばいいですわ、人の名前を勝手に使っておいてこのネーミングセンスはゴミすぎますわ」


「そりゃあそうすよこんなつまんない名前よく思いつけますね」


緋呂斗が無自覚に言う


「緋呂斗、君が一番いっしーを傷つけているよ」


「え、あすいません面白かったっすよ」


「チクショー俺にはお笑いの才能がないのか、、、」


「そんなぼんくらより私の名前のほうがいい事証明してあげますわ」


自信満々に言うと


「私が考えたのはこれよ零様と私とその他よ、どういい感じでしょ?」


こいつ何いってんだ、俺とトントンかそれ以下だろ


「感菜さんあんた志向さんとトントンすね」


「それないっしーとそんな変わんないよ」


零と緋呂斗ガチトーンで言う


「そ、そ、そんなことないですわせめて私のほうが上だわ」


「いーや俺のほうが上だね」


「私のほうが美しいですわ」


「俺のほうがかっこいいね」


俺と感菜が言い合っていると


「はーしょうがないすね、俺がチームの名前ってものを見せてやるっす」


「その名もゴールドハントっす!!」


机の上に名前が書いてある紙を叩きつける


「うーん60点」


「ダサすぎですわね」


「もうちょっと欲しいかな」


「なんなんすかちょっと物足りないような顔して」


「かっこいいでしょ」


緋呂斗は少し泣きそうだ


「いーやダサすぎね」


「あんたの方がダサいっすよ」


緋呂斗と感菜は言い合っている


「ていうか零名前って決める必要があるのか?」


「うーん呼びやすいように決めたほうが良いって思ったんだけど、ここまで決まらないならいらないかな」


「だよなあれ多分あと1時間は続いていくぞ」


「そうだねこれ以上続くようなら放っておこっか」


「ああそうだな」


俺は半ば諦めた目で二人を見る


そうして2人の言い合いは4時間も続いたという


〜翌日〜


「僕たちのチーム名はチーム零ということでいいですね?」


零が2人に言い聞かせるように言う


「「はい、いいです」」


2人は昨日零にこっぴどく怒られたようで静かにしている


「ていうか俺達いつから代表戦なんだ?」


「えーとね確か今日の11時からだよ」


零がSGバンド見ながら言う


「え?もう1回言ってくんね?」


「だから11時からだよ」


「それいつ来てた?」


「一昨日だね」


「おい零、な~んですぐ言わねんだよ!!」


零の肩を掴みながら言う


「だって言わないほうが面白いでしょ」


「まあそれはそうだが」


「でしょー」


「そこ同調しちゃだめっすよ!!」


緋呂斗が机を叩く


「はッそうだったこれはいけないことだった」


「それに零、対戦相手はどんな奴なんだ?」


「この寮で2番目に強いやつだよ」


零は笑う


「おい零、今度から連絡係は俺がやるいいな?」


「えー僕の楽しみがー」


零が涙目になりながら言う


「いいな?」


「わ、わかった」


「ちくしょうどうやって作戦立てれば、、、、おい今何時だ」


「えーと10時50分すね」


「集合場所は?零」


「学園の中庭だね」


SGバンドを見ながら零が言う


「こっからは何分くらいだ?」


「えーと8分とかだね」


「おいお前ら走るぞ」


俺は焦る


「お前ら早くいかないと棄権になっちまう!!」


「「「えー!!!」」」


「走れ、走れ!!!」


〜8分後〜


コロシアムのような場所で花火が上がる


「さあ今年も始まった代表戦!!みんな盛り上がってるーーーー?」


実況者らしきやつがそう言うと


大きく歓声が上がる


「さあ今年の一番最初の試合は、第5寮から行われます!」


「そして第5寮初めの試合はチーム零対チーム木崎!!」


「まずはチーム木崎の入場です!!!このチームは第5寮の中で2番目にGPを所持している木崎がリーダーのチームです!!」


木崎と呼ばれる銀髪とその仲間たちが入場する


ウオオオオオオオオオ!!!


大きく歓声が上がる


「対するチーム零は順位にも入っていない、完全なるチャレンジャー!!一体どんな勝負を見せてくれるのでしょうか」


「ではチーム零の入場です」


だが一向に出てくる気配がない


「あれチーム零さん?おっとここで速報です、なんと今丁度控室についたようです!!」


「それでは皆さん準備が整うまでしばしお待ち下さい」


〜5分後〜


「おっと皆さんチーム零の準備が終わったようです」


紙を見ながら実況者が言う


「それでは入場していただきましょう!!」


拍手と歓声が飛び交う


俺達は零を筆頭に入場する


ステージの上には木崎と仲間たちが待っていた


「やあ君たちが対戦相手かい?よろしくね」


優しい声で俺等に問いかける


「ああよろしく」


こいつやばい!!


こいつ表と裏の顔の差がやばすぎる


「なあ零」


俺は零に小さい声で話す


「ああこれは少しやばいかもねいっしー」


零が汗をかきながら言う


何がやばいってあいつの声の柔らかさと殺気立ってる仕草が一致してない


これはコールド・リーディングを使っている俺と零にしかわからないだろう


「それではゲームの決定権はどっちにしますか?」


実況者が俺達に言う


「じゃあ僕たちは遅れてきたわけだし君たちが決めて良いよ」


「じゃあここはお言葉に甘えて僕たちが決めさせてもらいます」


うっへーきもちわりー木崎こいつ行動と言動の雰囲気があってねえ


「さっきから君こっち見すぎて気持ち悪いよ」


急に木崎がこっちに殺気を向けてくる


「とりあえずゲームは2日後、それまで待っていてください」


怖すぎだろこいつ感情の真意が全く見えねえ


「ああそうしておくよ」


そうして俺達の代表戦が始まった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る