6 ロンドンへの前進
陸上では状況がさらに悪化していた。18日、エルヴィン・ロンメル将軍が指揮する第7装甲師団が到着し、ドイツ軍は新たな進撃を開始した。この装甲師団は、最新鋭のIII号戦車やIV号戦車を装備しており、イギリス軍にとっては絶望的な状況であった。ロチェスターとメイドストーンの間の防衛線は、第6山岳師団と第35歩兵師団の圧力により、容易に突破された。イギリス軍の抵抗は次第に崩壊し、ドイツ軍はセブノークス付近で第2機甲師団の軽戦車部隊を壊滅させた。
この時点で、イギリス軍は主力部隊をほとんど失い、もはや対抗手段がなかった。第7装甲師団はベイジングストークに接近し、さらにニューベリーとオックスフォードを無抵抗で占領しようとしていた。ポーツマスに向かって進撃するドイツ軍の歩兵部隊も、もはや阻止する術がなかった。
ヒトラーとその側近たちは、この勝利が確実であり、イギリス本土を完全に支配する時が来たと確信していた。ロンドン包囲は着々と進んでおり、イギリス空軍は主要な基地を失い、勢力を弱めつつあった。イギリス海軍も海峡支配を諦めざるを得ず、再編成と海外への撤退を開始した。この状況下で、イギリスの抵抗はほぼ無に帰し、国内は降伏一歩手前であった。
チャーチル首相はこの絶望的な状況にもかかわらず、なおも戦い続ける意志を示していたが、状況は日に日に悪化していた。
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