第2章 21話 もう一度、展望台へ②
アイリーナたちは、昨日と同じように展望台への階段を上る。緑の空気は、朝だから冷えて心地よい。
「アイ、左腕が木の枝とぶつかりそうだよ。気をつけて」
え?
アイリーナは左下に視線を落とす。だが、そのとき、右足がなにかに引っかかった。木の枝だ。
アイリーナはバランスを崩す。
転ぶ、と思ったが、シーファウの腕にしっかり支えられた。
「ごめん。左腕と右足を間違えた」
間違えた? 足と腕を?
シーファウはやけにうれしそうにしている。
「アイリーナが無事でよかった」
ねえ、アイリーナ……。金の髪を揺らして、シーファウがささやく。
「誰かを護るって、本当に幸せなんだね」
護る? また、あの冗談だ。
彼からこのセリフを聞くのは何度目だろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます