第2章 20話 もう一度、展望台へ①
「おはよう、アイリーナ」
アイリーナがドアを開けると、シーファウも部屋を出てきた。
「よく眠れた?」
「はい、シーファウ王子は?」
「俺はぐっすり。いい朝だね。アイは朝の散歩が好きなんだよね。外は無理だから展望台に行かない?」
今日で最後だというのに、シーファウはいつもと変わらない。顔を合わせれば、帰宅の話になると思っていた。
これからのこと、なんていって頼もう。
あまり都合のいいことはいえない。ここに滞在させてもらえばいいのかもしれないが、やっぱり家に帰りたい。
考えても分からない。ストレートに頼んでみようか。
振り返ってみると、離宮生活は思ったよりわるくなかった。
初対面のシーファウを見たときは、どうなるだろうと思った。だが、彼は意外と優しかった。
問題行動が多かったし、精神はかなり疲弊した。
でもよく考えると、シーファウはすごく良くしてくれた。部屋も食事も、いろんなものを与えてくれた。
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