第2章 19話 三日目の朝に②

「開封くらいするべきでは?」


「あのお兄さま、礼儀知らずなんだよ」


 レンバードが寄越す手紙を、シーファウは読みもしない。

 昨日、たくさんの手紙がゴミ箱に捨てられているのを見た。


 シーファウはまた、レンバードの無礼を根に持っている。


 読まないのは、シーファウが考えを変える気がないからだろう。


 彼は呪い封じの秘術は教えてくれないし、解く方法も考えてはくれない。


 アイリーナの監視も続けたいのだ。


 ど、どうしよう。


 ため息が出た。


 わたしがなんとかしなきゃいけない。でも、どうやって?


 今日は屋敷に変える約束の三日目だ。


 わたしはどうなるんだろう。


 シーファウ王子の保護がないまま、呪いと戦うんだろうか。


 みかんが心配気に、アイリーナの手を前足でつついた。


 みかん―っ。

 心がきゅんとなった。


「ありがとう、みかんっ」


 アイリーナはみかんの背中を撫でた。

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