第2章 14話 サフの想い①

 どこからが、カチャカチャと食器の音がした。


 サフがメイドを連れて、トレイの上にティーセットやお菓子を乗せてやってきた。


「シーファウさま、テーブルでゆっくりなさったらいかがですか。お茶をお入れしますよ」


「ありがとう」


「アイリーナさま、みかんさま、今日はなんのお菓子にしましょう」


「ああ、そうだ。とっておきのお菓子があったんだ」


 ふいに、シーファウは顔をあげる。


「持ってくるよ。ちょっと待ってて」

「え? シーファウさま?」


「だいじょうぶ。サフは待ってて」


 シーファウはうれしげに階段を下りていった。


 メイドは去り、サフがお茶を入れてくれる。手伝おうと手をのばしたが、サフに断られた。


「サフさんって、シーファウ王子が大事なんですね」


 アイリーナはずっと思っていたことを聞いてみた。。


 あの、ちょっと、……かなり歪んでいるシーファウん、サフはそれを厭う様子がない。


 本気でシーファウを敬愛して尽くしている。


「はい、いい主ですから」


 つい、呆けてしまったアイリーナに、サフは苦笑する。

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