第2章 13話 聖獣とシーファウ③
じゃあ、話をもどすよと、彼はまた聖獣の森のほうを向いた。
「ねえ、アイ。聖獣さまの森はいつできたと思う?」
「え、と……。大昔からってイメージですけど」
「そう、太古の昔。この国ができる前から、森に聖獣さまは住んでいたんだ。神秘的だよね」
いつかは聖獣さまが護り神になってくれたのか分からないけど、信頼関係はずっと続いている。
おかげでこの国は平和なんだ。特に水はずっと澄んでいて、国を清めてくれている。
森にはたくさんの生き物がいて、きっと未発見の生き物もたくさんいる。森は立ち入り禁止だけど、聖職者たちが霊力で見た限りでは、樹齢千年以上の木々が多くある。
千年ってすごいよね。長い歴史がその木には刻まれているんだ。木に手を触れると、ときの流れが見えそうな気がするんだ。
ねえ、アイ。
聖獣さまは何年生きているんだと思う?
どんなことを思って暮らしているんだろうね。
シーファウの話で、アイリーナの心は森の中のな向かう。
深い緑の森の中に立っているような感覚がした。
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