第2章 7話 アイリーナとみかんの部屋②

 シーファウとアイリーナが部屋の前に立つと、サフが観音開きの扉を開ける。


「わあっ……」


 アイリーナは声をもらして、部屋のまぶしさに見入った。


 花模様の壁紙。家具は白が基調で、金の縁取りがしてある。


 大きなベッドに品のいい薄桃色の天蓋。


 さすが王族の部屋だった。


 わたしがここで暮らすの? なんだか夢の世界に迷い込んだみたいだ。


「あっ、見て。みかん。あそこがみかんの場所だよ」


 ベッドの横に桃色のカーペットが敷かれていた。その上には縁がついている小さなわんこ用ベッド。台の上に乗った水用のお皿。


 おもちゃに、大きなふさふさのわんこのぬいぐるみ。壁にはみかんの名前が書かれたプレート、みかんの肖像画がかかっていた。


 その下には小さなタンスがある。


 みかんの洋服やリボン、首飾りが入っていた。


 みかんは駆け出し、きらきらした目で自分のスペースを見つめていた。みかんはころんとベッドに寝転がった。頬ずりする。

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