第1章 21話 レンバードの苦悩②

「どうする? 妹さんは俺に預けるよね? 早く決めてくれ。俺はそんなに暇じゃないんだ」


「なぜ、妹だけなのです? 秘密を知っているのは私も同じですよ?」


「君は頭が良さそうだから、離宮には立ち入り禁止。それに妹さんが俺のところにいれば、君は好き勝手できないだろ?」


「それじゃあ、妹は人質じゃないですか。今は両親が不在です。彼らが帰宅するまで、待つべきじゃないですか?」


「両親? ビスター伯爵夫妻か。夫妻への口外は許さないよ。君が決めるんだ」


「では、お断りします。アイリーナは私が護ります」


 シーファウは失笑した。


「王族が全力をあげても難しかったのに、君に本当に妹を護れるの?」

「成し遂げてみせます」


「まあ、一時的に目が見えなくだけの呪いだからね。でも、妹さんの評判が落ちるね」


 くすりと、シーファウはわらう。


「王子ほど他人の評価を気にする必要もないけど。友人は遠ざかり、嫁の貰い手がなくなり、社交界からは追放かも」


 レンバードはカッと顔を赤くし、またクッションを殴り始めた。

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