第1章 21話 レンバードの苦悩②
「どうする? 妹さんは俺に預けるよね? 早く決めてくれ。俺はそんなに暇じゃないんだ」
「なぜ、妹だけなのです? 秘密を知っているのは私も同じですよ?」
「君は頭が良さそうだから、離宮には立ち入り禁止。それに妹さんが俺のところにいれば、君は好き勝手できないだろ?」
「それじゃあ、妹は人質じゃないですか。今は両親が不在です。彼らが帰宅するまで、待つべきじゃないですか?」
「両親? ビスター伯爵夫妻か。夫妻への口外は許さないよ。君が決めるんだ」
「では、お断りします。アイリーナは私が護ります」
シーファウは失笑した。
「王族が全力をあげても難しかったのに、君に本当に妹を護れるの?」
「成し遂げてみせます」
「まあ、一時的に目が見えなくだけの呪いだからね。でも、妹さんの評判が落ちるね」
くすりと、シーファウはわらう。
「王子ほど他人の評価を気にする必要もないけど。友人は遠ざかり、嫁の貰い手がなくなり、社交界からは追放かも」
レンバードはカッと顔を赤くし、またクッションを殴り始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます