第7話《あなたの番です③》

???:『フフフフフフ…』

???:『クスクスクスクス…』

コウ:待ってくれ。今、何か笑い声が微かに聞こえたんだ。

ケン:また聞こえたのか?

コウ:ああ、誰かが笑っている声がはっきりと。

すると突然廊下の電灯が一斉に点滅し始めました。

三人は恐怖で立ち尽くすしてしまいます。

アサミ:これ本当にやばくない!?何かやばいのが近くにいるんじゃ…。

ゴロゴロゴロゴロ…ゴロゴロ

突然廊下の端に置かれていた古い車椅子が勝手に動き出している。

アサミ:何これ…本当に動いてる!

ケン:アサミ!コウ!避けろ、ケガするぞ!

車椅子は三人の足元をかすめ、壁に激突し、激しい音が廊下にて響き渡ります。

ガシャ――――ン!

コウ:早くここから出ようぜ!

急いでエレベーターに向かいましたが、エレベーターは動かなくなってしまいました。

ケン:エレベーターが動かない、どうすればいい。

コウ:非常階段を使おう。早くここから出ないとな。

三人は非常階段に向かいましたが、階段の途中で再び奇妙な現象が起こり始めました。

階段の手すりが突然冷たくなり、彼らの手を離させようとしました。

アサミ:手すりが冷たい…なにかが私たちを引き止めようとしてる!

ケン:俺も同じだ。手すりが凄く冷たいんだ!

コウ:しっかり掴んで!絶対に手を離すなよ!

そこから三人はなんとか先へ進む事が出来ました。

しかし、廊下の壁には血みどろの文字で何か書かれています。

『帰れない』

『助けてくれ』

『◯◯に殺される』

『死ニタクナイ死ニタクナイ死ニタクナイ死タクナイ』

……廊下の壁に大きな文字でびっしりと。

コウ:これ、誰が書いたんだよ。

アサミ:ごめん…私これ以上は無理かも…。

ここから外に出た方が良いって!?

アサミが叫んだ瞬間、廊下の奥から白い服を着た女性の姿彼女の前に現れた。

アサミ:え、なに…まさか私の声が聞こえて…。

白い服を着た女性はゆっくりと近付いて来ます。

ケン:やばいやばいやばいやばいやばいやばい!!

コウ!アサミ!ここから逃げるぞ!!

三人は慌てて逃げ出しましたが、廊下の先は行き止まりでした。

恐る恐る振り返ると女性の姿はすっと消えていました。

コウ:なんだったんだ、今のは?

アサミ:多分、本物の幽霊だよ。

ケン:だよな、でもこれ以上は危険だ。調査は中止にする。だが証拠の動画も撮れたし、今日はもうここまでしよう。

三人は再びエレベーターに戻り、なんとか動かす事に成功しました。


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