第6話《あなたの番です②》
ケン:うわ…これ本物だろ。気を付けて進むぞ。
三人は次にエレベーターの前に立ちました。
このエレベーターはよく勝手に動き出すと言われています。
ケン:ここがエレベーターか。
コウ:試してみようぜ。
コウがエレベーターのボタンを押すと、エレベーターはすぐに開きました。
しかし、誰も乗っていない筈のエレベーターから何故か冷たい風が吹き出しました。
アサミ:なにこれ…凄く寒い。
コウ:俺もだ。なんでここだけ冬のような寒さなんだよ。
ケン:気をつけろ。何が起きるか分からないからな。
エレベーターに乗っている三人は、最上階に向かいました。
エレベーターの中は異様に静かで緊張感が漂っています。
アサミ:なんだか時間が止まってる気がするんだけど。
すると突然、エレベーターが急停止しました。
照明が一瞬消えて真っ黒になる。
ケン:コウ!アサミ!無事か!
コウ:ああ俺とアサミは大丈夫だ。でも一体何が起こったんだ。
アサミ:なんかここ凄く冷たくて怖いんだけど…。
照明が再び点灯し、エレベーターはゆっくりと最上階に到着しました。
チーン…
シュウウウ…
ドアが開くと、三人は恐る恐る何事もなく外に出る事が出来ました。
最上階は特に多くの心霊現象が報告されている場所です。
ケン:ここが最上階か。ここではよく幽霊が目撃されるらしい。
コウ:気をつけろ。何か気配を感じるんだ。
ケン:気配を?何処からなんだ?
するとアサミが突然叫び声を上げる。
アサミ:見て!あそこに誰かいる!
三人は慎重に廊下を進んで行きます。
ケンとコウはアサミが叫んだ方にカメラを向ける。
カメラが向けられた先には白い服を着た女性の姿がぼんやりと浮かび上がっていました。
ケン:コウ!アサミ!ここから逃げろ!
三人は恐怖で一斉に走り出しましたが廊下の先には行き止まりがありませんでした。
コウ:なんだったんだ、今のは…。
アサミ:あれってもしかして幽霊だよね…。
ケン:本当だろうな。今の時間に廃病院を白い服着てうろつく女なんてあり得ないしな。でもそれ以上は危険だ。今日はもうここまでにしようぜ。
コウ:あんなはっきりと幽霊の姿が見えるなんてな。
アサミ:確かに。私も今まで調査してきた心霊スポットであんなはっきりと幽霊を見るなんて初めてだもん。
三人は急いで病院を後にしようとしましたが、出口に向かう途中で再び奇妙な現象が起こり始めました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます