第8話《あなたの番です④》
しかし、エレベーターの中で再び奇妙な現象が起こりました。
途中でエレベーターの照明がぷつんと消えて真っ黒になったからです。
ケン:大丈夫か?
コウ:ああ大丈夫だ。でも今度はなにが起きたんだ。
アサミ:怖い…でも真っ黒でなにが起きたのか良く分からない…。
照明が再び点灯し、エレベーターはゆっくりと最下階に向かい始めました。
だがそれは一瞬の事で、途中でエレベーターが急停止し、再び真っ黒になりました。
ケン:何だ?また止まったのか?
コウ:これ本気でやばくね。何かがいるのかもしれない。
アサミ:あれ…?エレベーターの中もなんか凄く冷たい風が吹いてる…?なんで…??
ケン:俺もだ。しかも寒くなってねえか。
コウ:すげえ寒い。なんでここも急に寒くなってんだよ。
三人はぶるぶると寒さに震えながら周囲を見渡しました。
アサミ:ねぇコウ君。何かがいるんだけど…。
コウ:え…どこに?
アサミ:ほらここに……。
コウ:え…嘘だろ…。
なんとエレベーターの壁には苦悶の表情をした不気味な影が映り込んでいます。
影はゆっくりと動き、彼らに近付いてきました。
ケン:気をつけろ。何かが近付いてくるぞ!
アサミ:走って!
コウ:ああ分かった!
するとエレベーターのドアが突然開き、三人は必死になって外に飛び出しました。
しかし廊下には誰もいませんでした。
アサミ:なんだったの、今のは…?
ケン:恐らく今のも幽霊だったんじゃないのか。それより今すぐ病院を出ようぜ!
コウ:ああ分かった。
病院から出る事が出来た三人は無事に帰宅する事が出来ました。
それぞれの無事を喜び合っていたところにスマートフォンから謎のメッセージが。
メッセージ:『次はあなたの番です。』
ケン:これなんだ…?誰が送ってきたんだ。
コウ:分からない…いや…まさか…あの病院の幽霊が…。
アサミ:そ、そんなわけないじゃん!ここは病院じゃないんだよ!流石にあの幽霊だってここまで来るなんてあり得ないって!!
必死にコウを否定するアサミだったが次の瞬間、部屋の中で奇妙な現象が起こり始めました。
家具が動き始めたのです。
ガタガタガタガタ…
ドンドンドンドンドンドン!ドカッッ!!
物が棚からバラバラと床に崩れ落ちて激しくぶつかる音が響き渡りました。
カタカタカタカタ…
椅子が勝手に動き、部屋の中を滑るように移動します。
しかし、三人は逃げることが出来ませんでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます