第17話 バーバヤガーの宴
プーカは、涙を噛みました。幼き日から、いつもパックにかばわれるばかりな自分に、ついに活躍の時が来たのだ――そう勇みました。
しかし現実は、劣等感を恥ずかしめられたあげく、無様に
そんな自分のふがいなさに、怒り、涙しました。
銀毛の
プーカの指さきは天をさし、枝となって伸びました。足は根にうずもれ、嵐のようにうずまいてほとばしりました。
なめらかな
小ぶりな
剛腕の女と黒
「もう一匹いやがった!」
アトロゥは吐きすてるように言って、プーカの樹を鋭くにらみました。
……
アトロゥはそんなことを考え、パックから目を離しました。
乙女たちは忍んで、アトロゥの手の内のパックへ寄りそいました。パックの
「ああっッ!?」
アトロゥは、
乙女たちは
それは一瞬の出来事で、アトロゥには、おのれの失態を悔やむ
*
ワッピティは目を見はり、我知らず一歩前へ進みました。しかし目前の光景に
大剣を奪われた元大剣の
ワッピティは、木々のから騒ぎに飲まれ、
男はワッピティに向かい、口内の血に軽蔑を絡め「ペッ!」と吐いて飛ばしました。それから急ぎ
ワッピティは樹の乙女に抱きとめられて、ほっぺたをはさまれ、
*
そして、三人の
乙女は、
色多き男の首は、ブチリブチリと音を立てました。さらには、脚がブチリ、腕がブチリ――乙女たちは、仲良くその
乙女たちは、剛腕の女へ集い、値踏みを始めました。女の爪さきを、足首を、
乙女は、黒
乙女たちは、むき出された
それは樹でした。しかし老婆の
老婆は裸身に木々を突きたて、頭頂は
老婆はうなだれて、
木の葉が火の粉のように舞い、
プーカは両腕を木々に束縛されて、裂かれた布きれを肩から垂らし、裸体の半身をさらしていました。
それは樹でした。しかしその
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