君に捧げたい言葉の短編集

Word5. 「笑顔」

　ずっと大好きだった。

　ずっと大切だった。

　あなたのその笑顔が。

　ひまわりのように周りを照らし、

　勇気づけ、元気づけてくれる。

　あなたがいたから、

　僕は今、ここにいるんだ。

「ねぇ、本当（ホントウ）を見てみない？」

　そう言った君。

　僕はなんにも意味が分からなくて、

　ただただ笑うことなく黙っているだけだった。

　でも君はそんな僕を見て、

　心からの笑顔でこう言った。

「もう、見えてるんじゃない？」

　それが、最期の言葉だった。

　なんだよ。

　僕には見えないんだ。

　君の言う本当（ホントウ）が。

　何も言ってないくせに、

　責任取らずにいなくなるなよ。

　ずっとずっと、そう思っていた。

　でも、分かったんだ。

　そう、君はそれが言いたかった。

　トゥルースマイル《ホントウノエガオ》、

　ヒトが本当を見せる唯一のモノ。

　偽りの笑顔なんて、

　この世に存在しない。

　此処にあるのは、

　トゥルースマイルだけだ。

　いつでも僕に笑いかけてくれた君に、

　せいいっぱいの感謝を。

　ねぇ。

　ありがとう。