第3話「アリアとルカス」
大輔、アリア、ルカスの3人は、異世界での初めての冒険に出発した。目的地は、近くの村を襲う魔物たちの討伐だった。道中、大輔は自分の力がどれだけ役に立つのか不安でいっぱいだった。
「大輔、緊張するなって、俺たちがついてるんだからさ」ルカスが軽い口調で励ます
ルカスは細身で長身、鮮やかな青のローブを纏い、肩まで伸びる銀髪が風に揺れていた。彼の碧い瞳は常に自信に満ち溢れ、軽い笑みを浮かべながらも、どこか掴みどころのない雰囲気を持っている。その姿から漂う知的なオーラは、いかにも魔法使いらしい印象を与える。
「まあ、なんとかなるさ、大輔の力もちゃんと試す機会があるだろうし」アリアも笑顔で言った
アリアは引き締まった体を持ち、力強い戦士の雰囲気を漂わせている。燃えるような赤い髪は肩の上で揺れ、鋭い緑の目が常に周囲を見据えていた。彼女の鎧は実用的ながらも女性らしいラインを保ち、所々に傷が残っているのは、彼女がいかに多くの戦いを経験してきたかを物語っている。
村に着いた3人は、村長から事情を聞いた。どうやら、森から現れる魔物が村人たちを襲い、食料を奪っているらしい。
「村を守るために、魔物を倒すのが俺たちの役目だ、でも…」大輔はためらった
「大丈夫、寝坊の力だって使い方次第で強力な武器になるんだ、それに、俺たちがいる」アリアが力強く答えた
3人は森へ向かい、魔物が現れるのを待った。しばらくすると、木々の間から大きな影が動き出した。それは、鋭い爪を持つ巨大な狼の魔物だった。
「来たぞ、気をつけろ」ルカスが杖を構える
アリアが剣を抜き、前に出る「さあ、大輔、君の力を見せてくれ」
大輔は心臓がドキドキしていた。だが、ここで何もしなければ仲間たちが危険にさらされる。彼は深呼吸をし、目を閉じた。
「寝坊、寝坊…頼む…」大輔が意識を集中すると、再び時間がゆっくりと流れ始めた。彼の目には、アリアやルカス、そして狼の動きがスローモーションのように映る
「すごい、これなら…」大輔は驚きつつも、狼の動きをじっくりと観察した。すると、狼が攻撃を仕掛ける前に、アリアが斬りかかるタイミングが見えてきた
「アリア、今だ!」大輔が叫ぶと、アリアはその指示に従って剣を振り下ろした。鋭い一撃が狼の体を貫き、魔物は地面に倒れ込んだ
時間が通常の速度に戻り、狼は完全に動かなくなった。
「やった、成功だ!」ルカスが歓喜の声を上げた
アリアも満足そうにうなずいた「大輔、君の力は本当にすごい、タイミングを完璧に見極めることができたわ」
大輔はホッとしたように息をついた「よかった、本当に役に立ったんだ…」
初めての戦いを無事に乗り越えた大輔は、少しだけ自分の力に自信を持つことができた。彼はこの異世界で、自分の力を最大限に活かしていく決意を固めた。
「これからも、この力をうまく使っていこう」大輔は笑顔で仲間たちに言った
「もちろんだ、次はもっと難しい敵が待ってるかもしれない、でも俺たちならきっと乗り越えられるさ」ルカスが意気揚々と答えた
「その通り、行こう、大輔、次の冒険が待っている」アリアが前を向いて言った
こうして、寝坊勇者の冒険は始まったばかりだった。次にどんな試練が待ち受けているのか、誰にもわからない。しかし、彼らはどんな困難にも立ち向かう準備ができていた。
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