出会い系サイコ

天川裕司

出会い系サイコ

タイトル:出会い系サイコ


「あの、紀子(のりこ)さんですか?」

紀子「あ、はい」

「よかった。間違ってなかった♪純也です。よろしく」

紀子「よろしくお願いします」


俺はある日、出会い系で1人の女と知り合った。

その目的で出会ったのもあり、

早速、彼女の部屋へ。


(彼女の部屋)


「へぇ、結構、良い部屋ですね。きれいだ」

紀子「いえ、そんなことないですよ」

「きれい好きなんだ」

紀子「まぁもともと彼がきれい好きなんで、私もそれに合わせて」

「尽くすタイプかな?」

紀子「まぁ…」

「イイじゃん♪男にとったらそうゆう女ってほんと魅力的だよ」

紀子「でも尽くすのにも疲れてきたっていうか」

「まぁ…だよね。時々は発散しないと」


その流れからやろうとしたのだが

彼女の雰囲気はそんなでもない。

だからもう少し地ならしの形で

彼女に波長を合わせることにした。


「今の彼、どうなの?」

紀子「え?」

「だって彼氏いるのにこんな事しちゃって」

紀子「ああ。まぁなんて言うか、今あなたが言ったように発散ってゆうのかな」


紀子「時々羽目を外したくなっちゃうし、それに彼のことも忘れたくなる時もあるし」


「ええ?wどう言うこと?」

紀子「彼、浮気してたんですよ。それも私にバレてないなんて思ってるみたいで。とっくにバレちゃってるのにw」


「そうなんだ。でも、浮気してるって分かっててよく付き合ってられるね?別れようって思わないの?」


紀子「そりゃ思うけど、まぁここまで来たらってのもあってね」

「え?」

紀子「それにもう彼、浮気しないと思うし。これから先のことプラス思考で考えなきゃって思いもあって」


なんだか重苦しくなってきたので少し面倒臭い。

「そうゆう目的で会ったんだろ俺たち?」

みたいな鬱憤が俺の心にだんだん充満していく。


「まぁ今日はそんな彼の事なんか忘れて…」

紀子「ううん忘れられないのよそれが。だって彼、今すぐ近くに居てくれるから」

「…は?」


すぐ近く?

一瞬、この部屋の中に彼氏が待ち伏せでもして、

俺ボコられんのか!?とか思ってしまった。


「ど、どうゆう事それ?」

紀子「ほら、私の彼、きれい好きだって言ったでしょ。だから彼自身もきれいにしてあげたの。クリンネス」


その時までの目的はそれじゃなかったので、

「ごめん、俺もう帰るわ」

と立ち上がった。

そして玄関まで行ってふと横を見た時、

トイレのドアが少し開いていて、

そこから何が出ているのに気付く。


「なんだろ…」と思って少し興味本位で近づいた時、

紀子「あ、それは…」

とかすかに横耳に聞こえたがそれを無視して

間近で見ると、

「お?!」

人間の手。


紀子「羽目はずしちゃってね。ねぇ付き合わない?私たち?アタシの新しい門出、一緒にお祝いしてよ。せっかく何億も居る人たちの中で、私たちマッチしたんだから」


「………じゃあ俺の願いも聞いてくれる?」

俺は携帯を取り出し、

今付き合ってる女の画像を彼女に見せた。


「俺の彼女も実は浮気してるんだよね。ついでに清算してくれないかな?普通、嫌とは言えないんじゃないか、ここまで見せたんだから?」


「君の言う通り、何億分の1の確率で出会えた奇跡的な俺たちなんだ。…君もそう言うなら、それを大事にしてみないか?」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=bff9H315yMY

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

出会い系サイコ 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ