第6話 とある痴者の困惑
………………。
…………。
……。
……あ、やべ。
なんか状況についていけなくて、何も考えず「はい」って言っちゃった。
いやいやいや。
だって、なんで姫様がついてくるって話になるんですか。
ピクニックに行くんじゃないんですよ?
魔王打倒の旅なんですよ?
どう考えても危なすぎでしょ。
……うん、まぁ。
ぶっちゃけ俺より姫様の方がだいぶ強いんだから、俺としては正直ありがたい話ではあるんだけども。
なにせ姫様、五歳の時にはスライム倒せてたって話だしな……五歳の姫様にすら劣る俺は、姫様の言う通り足手まとい以外の何者でもない。
にも関わらず、姫様は俺についてきてくれるっていうんだから。
……って。
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
なんで拍手巻き起こってんの!?
なにこれ、何の拍手!?
ジェイスさんも何の涙なんですかそれ!?
………………あ、いや、そうか。
情けない勇者の尻拭いをするため危険な旅に出る決意を固めたお姫様に皆さん感動してる、ってことか……。
それは確かにそう。
あの小さかった姫様が、こんなに立派になって……。
……ただ、そんな主役と一緒になぜか場の中心にいちゃってる凡夫としては。
なんかこう、凄く居心地が悪い気分です……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます