応援コメント

第1話 蝉を踏む」への応援コメント


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    拝読しました! これは難しい作品ですね…出てくる三人の登場人物、それぞれの視点や価値観がまるで違う中で主人公のみの視点で語られるので、彼女の価値観に合わない事象がすべて「薄気味の悪い理解できないこと」として描写されているのが…。
    一見誤解しがちですけれども、美津子さんのおっしゃることは尤もで、実際に和馬さんの豹変の瞬間を見ていない美津子さんが、その恐怖を推し量ることができないのはよくわかります。その上でいかにも和馬さんを貶めるように話す加代さんが、話を盛っているとか大袈裟に怖がっているように見えるんだろうなあ、と。
    和馬さんに関しても、加代さんにとって(そして読者にとって)彼が恐怖の対象に思えるのは「蝉を踏み潰す」と言う行為を特に切り取ってクローズアップして語っているからであり、それくらいの一癖ある人は実際に多々いますし、その限り美津子さんの言うように「取り立てて言うほどの欠点ではない」んですよね。その上で「なぜそんな行為に及んだのか」がわからないから、気味が悪く見える。

    あえて加代さん以外の視点を削ぎ落として語ることで、非常に視野の狭い物語として成立しているのが今作だなと思って、ある種叙述トリック的な趣をこの作品から感じました。K様がまた何か新しい表現に目覚めつつあるのかなと思って、興味深い思いでいます…色々考えさせられた一作でした。

    作者からの返信

    唄様

    唄様は天才ですか。いつもありがとうございます!唄様は感じた事を言語化する能力がとても高くて感動します。すごいです。絡める時間がかなり癒しになっております。

    この主人公もちょっとしたウツなのです。よりよく生きることを諦めてどう死んでいくかを考えている主人公は、目の前で命が潰されてるのをみて「自分はこういう死に方をするのは嫌だ」と無意識に恐怖してるんですよねぇ。でも唄様のいう通り、それってめちゃくちゃ視野が狭い。生きづらい。でもそれがウツだよなぁと思いまして。

    モノガタリーは手汗で、今作はゴキブリという生理的嫌悪感が出そうな小道具しか出てこず。透明な日々も死んじゃうの確定だし、僕が彼女を探す旅もちょっと不思議な終わり方をする作品。僕のヒーローアカデミア読んで「私がきた!!」って言っちゃうキャラ作りたいなと思いつつ、結局今溢れているものを出し切らないと次にいけないのだなとしみじみ感じている次第です。私は自分の心の整理のために小説を書くタイプのようです