第9話 授業
「魔法生物の授業を担当することになったリアーナ・ヴィシップ。リアーナ先生とでも読んでくれ!魔法生物学で学んだ知識はダンジョン内、ダンジョン外どちらでも使える。だから話を聞いていないと生死に関わるからしっかり聞いておくこと。」
リアーナ・ヴィシップ。金髪のポニーテールに優しい口調だから一見強そうに見えない。
ここに来て2年生が噂を風潮していたのでわかる。
この先生、絶対強い
噂とは、2年生のAクラスの生意気野郎が調子に乗って先生に闘技を仕掛けたらしい。2年生は中級、上級の魔法を駆使して闘ったが、2年生が放った上級はリアーナ先生の下級二節魔法に相殺されたと言う噂だ。
ここの教員、生徒は見た目と似た性格をしているものの、強さは見た目と全く似つかない。
そうして魔法生物学の授業が始まった。
「まずはダンジョンのことについて詳しく話そうか、ダンジョンは剣魔学園の敷地内にあるんだよね。実はここのダンジョンは40階層まで探索されているけど41階層からは人跡未踏、50階層まで続いているのではないかと予想されているよ。一年生は10階層まで、2年生は20階層、三年生は25階層まで立ち入りが許されている。38階層から先は上級の魔物が一体じゃ治らず、上級の群れを統一するほどの個体もいる。最上級の魔物となると特別に階級が付けられていてね、38階層から特別階級5級の最上級が出現する。正直教師でも攻略が困難なんだ。階層が深くなって行くほど敵の脅威は上がると考えて欲しい」
「4週間後に備えて今日は1から3階までの生き物、魔物について話していこうか」
リアーナ先生が1から3階層に出現する魔物の特性を説明が終えたと同じタイミングでチャイムが鳴り、授業が終わった。
「あの先生見た目は優しいけど放ってるオーラが怖いよな。どこに地雷があるのかは知っておきい。」
シンが怖気づきながら言った。
「あれは怒らせたらヤバそうだ。極力指示は聞いて怒らせないようにしよう。逆鱗に触れてしまったら病院送りかもな。」
「アリスと話さなくて良いのか?」
唐突に聞いてくる。
「話しかけたいけど、人気者なんだよアイツは」
アリスに話しかけようにもクラスで人気が高く、男共が群がっていて話しかける隙がない。美人で令嬢、人気の要素が詰まりに詰まっているから仕方ない。
次の剣魔闘技の授業に向けてシンと話しながら闘技場へ移動する。
闘技場に着く。
「僕が闘技学の教師、カリバー・ケルベルトだ。君たちが死なないようにビシバシとやって行くからね!今から二人ペアを作って闘ってもらう。それじゃあペアを作って!」
「私はロロ・バリス。私はハルト・テイディス、あなたと闘いたい。」
「うえっ!勢なり現れたらビックリするだろ!?」
斜め下を見ると青髪ショートの可愛い女がこちらの目をずっと覗き込んでいた。
アリスと同じくあざとい。何でこんなに顔が整っている奴が多いんだこのクラス。
「どうして俺と闘いたいんだ?」
「魔法斬ったの見てた。もう一度見させて欲しい、から」
独特の喋り方、だがそれも可愛い一面なのだと感じた。
「すまないシン、俺はちょっとこのロロ何とかと闘うことにした」
「全然大丈夫だ。俺は人探しに行くからそっちはそっちで頑張れよ」
「ああ、わかった」
シンは対戦相手を探しに行ってしまった。
「それじゃあ、準備整ったな!?俺が火魔法を打ち上げれば試合開始だ。
終わった所から各自休憩、反省をするように」
そう言って火魔法を打ち上げ、試合開始だ。
「手加減しない。魔法、もっかい、斬って見せて。」
「ああ、見せてやる」
「ロロの得意な属性は雷と水と氷と火、今は全て中級まで使えるようになった。」
「はえぇ、使える属性が4つに、中級まで使えるのか・・・」
アリスは水以外の属性を中級まで使える。
アリスの才もヤバいが、ロロも才の塊みたいな物だな。Aクラスに自分が居て良いのかすら不安に感じる。
俺は実技試験の時と同じように剣に魔力を込めるがどうしてかわからないものの、実技の時の二分の一程度しか魔力が剣に込められない。これでは相手の中級魔法を斬り裂けるかどうかわからない。
「行くの。氷塊よ 凍てつき 潰せ!」
短文中級魔法。アリスと同じような技を仕掛けてくる。地面からいくつもの氷塊が生まれ、先端が俺に向かって勢い良く伸びてくる。
身体強化魔法を使い、剣に魔力を込めて斬る。斬り続けていると、伸びてくる氷塊が勢いを無くした。
「やっぱり凄いの、普通は、斬れない」
「そうなのか?でも今の俺はこの前のように上手く魔力を剣に流し込めていないんだ」
「それは修行が足りない、だけ。」
「なかなか辛辣だな。業火の如く、燃え尽くせ!」
剣先から二つほど0.5mの大きさの火を飛ばす。二節の下級魔法の上位の魔法だ。俺は中級が一つしか使えない。
「威力弱い、それでは、簡単に、相殺される」
そう言ってロロはすぐにまず魔法で相殺して見せた。
「これでも努力してるんだ。毎日だけど少しずつ魔力は増えてる。
これで力を伸ばすしか無いんだよ。」
「そう、でも、それでは、守れない」
声を小さくしてロロは言う。
「ん?何か言ったか?」
「いや、なにも、ない!。光し雷鳴よ ここに 轟け!」
「雷魔法か、斬るのを試してみるかっ!」
試してみたものの雷魔法は他の魔法と速度が段違い。しかも威力が強く、弾く事しか出来なかった。
「訓練、すれば、斬れる、ように、なる。またその技、見せて」
ちょうど授業終了のチャイムが鳴り響く。
「俺も何処まで斬れるのかわかったよ。ありがとうな」
授業終わり、アリスが話しかけにくる。
「男共の相手しなくてよかったのか?」
「私が相手しなかったからって拗ねてるの?案外子供っぽい所あるんだね!」
いつもより飛び抜けた笑顔をしている。
「拗ねてなんか無い。俺は、その・・・相手にされてない男達が可哀想に見えただけだ。」
今日の授業は全て終わったので二人で話しながら寮に戻る。
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