第7話 合格発表

 朝の六時に今日は起きた。合格発表まであと1時間ほど、張り出されている間はいつでも見ることができるのであまり焦らない。


 剣は折れてしまい使い物にならなくなったので、今だけ魔法オンリーだ。下の階に降り、宿の食事をゆっくり楽しんでいると時間になった。


「そろそろ紙が張り出される時間・・・か」


 一度宿の借りている部屋に戻り、簡単な準備を済ませて外に出る。剣魔学園に向かう途中、直前までなかった不安が込み上げてくる。


 剣魔学園に無事に着き、校門前には人混みが出来ている。どうやらもう受験合格番号が張り出されているみたいだ。


 俺は人混みを掻き分けながら受験番号を確認する。


 俺の受験番号は134685。張り出されている紙には134468、134562、134685と書かれている。


 心の中でガッツポーズをした。嬉しすぎて今ここで叫びたいくらいだ。


「受かって良かったねハルト!」


 聞き覚えのある声が隣から聞こえる。何で俺の合格を俺よりも喜んでいるんだと聞こうとしたがやめた。


「アリスか・・・君は受かってるんだろ?」

 

 分かっているようにアリスに問いかける。


「当たり前でしょ!」

 

 アリスはずっと笑顔だ。


「アリスは闘技の部、次席か・・・本当に凄いなぁ」

 

 あんな強さを見せられたら次席なのもわかる。超超超超羨ましい。でも首席ではない。


「首席はエイタ・ブリングス、なんか聞いたことがあるような・・・アリス誰だか知らないか?」顔を右に向けアリスに問う。


「クリス・ブリングス侯爵の子息よ」


「あーなんか聞いたことあるような気がしたんだよ、俺は貴族に疎いからそこら辺が全くわからないんだ。」


「ちなみに私も侯爵家の令嬢よ?」


「ええっ!そうだったのか?今更ですが敬語に直した方が良いですか?」

 

 俺は自分の地位を考え、焦ったように敬語に治す。


「今更遅くないかな?まあ私はそう言うのは気にしないから大丈夫。今変えられても逆に困るわ」


「アリスが気にしないならいっか!」

 

 そう言って再びタメ口に戻す。そこから2人で長らく話して、また入学式に話そうと言ってお別れをした。


 俺は一度家に報告に戻る。


 家に戻ると合格祈願と書かれた木の板が何十枚も壁に貼り付けられていた。俺そんなに合格できないように見える?と思った。


「ハルト、合格おめでとう、でも合格したからって浮かれんなよ?これからも辛い事があるだろうが負けるな、父親が言えるセリフはこれくらいだ!」

 

 かっこいい父親を演じたかったのだろう。まあ無視したが。


 母親は嬉しさの余り、号泣していて話にならなかった。


「この家に戻ってくる機会は少なくなるけど、俺頑張ってくるからな!」


「ああ、頑張ってこい!」


 そう言って親は俺を見送った。


 これで親への報告は終わり、入学式に備えて再び帝都に戻るのだった。















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